今回は、税理士や税理士を目指して会計事務所で働く人の年収について解説します。
「まずは年収500万円の税理士を目指す」と聞くとみなさんはどう思われるでしょうか?
会計事務所とは関係ない業界で働いている人は「え?税理士ってもっと稼いでるんじゃないの!?」と思われるかもしれません。
一方で、一般的な会計事務所で税理士を目指しながら働いている人であれば、「はやく年収500万円になりたいな」と思うでしょう。
また、特に東京で見られるような従業員数十名以上の中堅~大手会計事務所で働いている人であれば、年収500万円を超えている税理士もわりといるでしょう。(そういった会計事務所では、税理士資格を取得していない人にも年収500万円以上の人もいると思います。)
税理士になるまでは年収が低い
会計事務所で働いている人はご存知かと思いますが、会計事務所業界は丁稚奉公(でっちぼうこう)の世界です。税理士試験に合格するまでは、税理士の補助スタッフとして、書類の整理や記帳代行(会計システムへの入力作業)などをこなしながら働きます。
慣れてくると決算書や税務申告書を作成するようになり、仕事も少しずつ高度になりますが、基本的に補助スタッフの場合は、ハンコを押して責任をとったり、経営や税務の高度な相談にのったりするなど、大きな価値を生むような機会もないため、年収も低くなります。
税理士になるまでの年収はどれくらいが目安なのか?
では、税理士になるまでの年収は、会計事務所で働いているとどれくらいなのでしょうか?
一般的には「月給20万円~30万円」「年収250万円~350万円」くらいが目安です。これは、残業代や賞与を含んだ金額です。また、従業員数名~10数名程度の一般的な会計事務所のケースです。
この金額は、世間の水準と比較すると低いと言えますが、多くの会計事務所スタッフは、
- 前述のように事務作業が中心で、負荷や責任が大きい仕事を行っていない
- 残業が少ない(試験勉強と仕事が両立しやすい)
という環境で働いていますので、上記の金額は決して低すぎる金額ではないと言えます。
(もし、あなたの勤めている会計事務所が、残業も多く、責任の重い仕事をあなたに任せているのであれば、上記の水準より高い年収をもらってもいいかもしれません。)
まずは「税理士」「実務経験5年」「年収500万円」を目標
このような内容を踏まえて、まずは年収500万円の税理士を目指しましょう。
目安としては、税理士(官報合格)で5年程度の実務経験があり、法人顧客の税務申告書をひとりで作成できる程度のスキルがあれば年収500万円を超えてくるイメージです。また、自分が主担当として20~30社の法人顧客を担当できるかどうかというのも目安のひとつです。
税理士を目指している方々は、税理士試験の合格と同時に、こういったスキルを身に付けることも目指してみてください。
会計事務所の年収に関しては、次回以降でまた詳しく解説していきます。