税理士試験勉強に専念すべきか、それとも、働きながら勉強すべきか。メリット・デメリットはこれだ!

去る12月13日に本年の税理士試験の合格発表がありました。みなさんの手元にも結果が届き、一喜一憂されたかと思います。

さて、税理士試験の結果発表が終わった後は、官報合格者を除いては今後の試験勉強をどうするのかを考えなければなりません。新しい科目にチャレンジするのか、今年不合格だった科目に再チャレンジするのか、また、仕事を辞めて勉強に専念するのか、仕事をしながら勉強するのかなど頭を悩ませる人も少なくないでしょう。

ここでは、その中でも最も大きな論点である「仕事を辞めて税理士試験勉強に専念すべきか、それとも、働きながら勉強すべきか」について解説しようと思います。 

税理士試験の勉強に専念する3つのメリット

税理士試験の勉強に専念する際、3つのメリットがあります。

税理士試験に専念する3つのメリット

  1. 勉強時間が確保できる(合格率が高まる!?)
  2. 複数科目にチャレンジする余裕ができる
  3. 税理士試験に早く合格できれば学校に通うコストや時間も節約できる 

1.勉強時間が確保できる(合格率が高まる!?)

働かずに勉強に専念することによって勉強時間が確保できますので、試験の合格率が高まる可能性があります。

2.複数科目にチャレンジする余裕ができる

働きながらの勉強だと受験勉強に費やせる時間にも限りがありますが、勉強に専念することによって時間に余裕ができますので、複数の科目にチャレンジすることができます。

3.税理士試験に早く合格できれば学校に通うコストや時間も節約できる

税理士試験勉強を続けていると専門学校の授業料や模試のコストが意外とかかります。試験に早く合格することによって、そういったコストや時間を節約することができます。(何よりツライい試験勉強から早く開放されます。)

ちょっと待って!試験勉強に専念するデメリットってかなり大きいよ!

税理士試験の勉強はつらく厳しいものです。そのため、「早く受かって楽になりたい…」とどうしても仕事を辞めて勉強に専念してしまいがちです。

けれども、当然のことながらそれにも大きなデメリットがあります。

税理士試験に専念する3つのデメリット

  1. 無職となり収入がなくなる
  2. 離職期間ができるため転職の際に不利になる
  3. 税理士試験受験後の就職活動の際にキャリアアップしていない!?  

1.無職となり収入がなくなる

試験勉強に専念している期間は仕事をしないわけですので、当然のことながら収入がなくなります。家賃や生活費だけでなく社会保険料なども自己負担になりますので、金銭的負担が大きくなります。

2.離職期間ができるため転職の際に不利になる

税理士試験にチャレンジしている人たちの間では、勉強に専念するのはわりとあたり前のことですが、仕事をしていない期間があると転職や就職では不利になります。

3.税理士試験の合格発表前に就職・転職活動をしなければならない

試験勉強に専念する人が最も見落としているのがこの点です。税理士試験(8月)から合格発表(12月)までは4ヶ月あります。でも、試験勉強に専念した場合、就職活動は8月の試験後に行うのが一般的です。つまり、就職活動の際には試験の結果は出ていないので、仮に受かっていても就職活動時にはアピールできないのです。(せっかくの合格なので就職にプラスになければもったいない。。。)

じゃあ、どうすればいいの?試験勉強に関する3つのポイント

では、どう考えればいいのでしょう?試験勉強に専念すべきかどうかは、個人の状況によってあくまでケースバイケースですが、3つのポイントをお伝えしておきます。 

  1. なるべく働きながら勉強する
  2. 少なくとも会計事務所でアルバイトをしながら勉強する
  3. 絶対に受かる自信がない年は勉強に専念しない 

1.なるべく働きながら勉強する

税理士の世界は「資格」だけでなく「実務経験」も大事です。「資格」と「実務経験」の両方が揃ってこそ評価が高くなりますので、やはりまずは働きながら試験にチャレンジすることを心がけましょう。

2.少なくとも会計事務所でアルバイトをしながら勉強する

それでも、もし、試験勉強の時間が必要な場合は、会計事務所でアルバイトとして働きながら勉強するなど、少しでもいいので仕事を継続しながら勉強しましょう。試験勉強を終えて就職活動を行う際に、少しでも実務を続けていたほうが評価が高くなります。

3.絶対に受かる自信がない年は勉強に専念しない

勉強が十分にできていない状態で税理士試験が近づくと、焦りが生じ、「仕事を辞めて税理士試験に専念しようか…」と考えがちです。けれども、仕事を辞めて専念したにも関わらず試験に合格できなければ、経歴としては全くプラスになりません。離職期間ができるのでむしろマイナスです。そのため、受かりそうにない年にリスクをとって勉強に専念するのではなく、「勉強に専念すれば今年は絶対に受かる!」という年に勉強に専念して確実に合格するようにしましょう。

以上、税理士試験勉強に関するポイントでした。

今後の試験勉強のスタンスを決めるのに参考にしてみてください。

この記事の著者

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【手塚佳彦/株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、会計事務所名鑑編集長。

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