会計事務所業界では、一般企業での新卒採用と同じように大卒者や高卒者の新卒採用活動を毎年定期的に行っている事務所はほとんどありません。その代わりに、毎年夏(8月初旬)に行われる税理士試験の後に、若手人材の採用活動が行われ、ここで会計事務所未経験の人達の多くが会計事務所に就職することとなります。
そのため、毎年8月のこの時期が会計事務所業界におけるいわゆる「新卒採用」の時期となるのですが、実際は、始めて会計事務所に就職する「未経験者」だけでなく、実務経験のある「経験者」も転職活動を行いますので、未経験者の人たちにとってこの時期の就職活動は意外と苦戦するケースもあります。
では、未経験者が会計事務所に採用される可能性を少しでも高めるには、どのようなことに気をつけておけば良いのでしょうか?
ここでは、会計事務所の求人に未経験者が採用されるために押さえておきたい3つのポイントについて解説します。
未経験者が会計事務所に採用されるために押さえておきたい3つのポイントとは?
未経験者が会計事務所に採用されるために押さえておきたい3つのポイントとは下記になります。
- なるべく年齢が若いうちに求人にチャレンジする
- 税理士試験科目を2科目程度取得しておく
- アルバイトなどで良いので実務経験を積んでおく
この3つをしっかりと満たしていれば未経験者が会計事務所に採用される可能性は高くなります。3つの項目を詳しく見てみましょう。
1:なるべく年齢が若いうちに求人にチャレンジする
未経験者の就職可能性に最も大きく影響するのが年齢です。
未経験者を採用する場合、どの会計事務所においても年齢が若いほうが採用が有利になります。これは、未経験者は「育てる」必要があるため、若い人材が望ましいと考えられるためです。
一般的には若いほうが成長が速いですし、また、教育担当をつける際にも年上の後輩は指導しにくいという理由もあります。(例えば、30歳で3年の実務経験があるスタッフの下につく人材を採用する場合、その人より年上の35歳・未経験の人が入社してくると指導しにくいですよね。)
この「年齢」に関しては、一般的には25歳くらいまでだと未経験でも採用されやすく、歳をとるにつれて徐々に採用されにくくなっていき、30歳を超えると採用されにくく、35歳を超えると非常に採用されにくくなる傾向があります。
そのため、未経験者の人はなるべく早いうちに就職活動に取り組むことがポイントです。
また、年齢が高い場合は、平均年齢が高い会計事務所に応募すると採用の可能性はやや高まります。
2:税理士試験科目を2科目程度取得しておく
未経験者の場合、実務経験がないわけですから、資格でアピールする必要があります。一般的には日商簿記2級の取得が最低ラインです。
また、日商簿記2級だけでなく、税理士試験科目を取得しておくことも重要となります。
この税理士試験科目に関しては「何科目くらい取得しておけばいいのだろう?」という疑問があるかと思いますが、まずは2科目程度を取得しておくと評価されます。
取得する科目についてですが、税理士試験の受験生が一般的に最初に取得する簿記論と財務諸表論でOKです。
ただし、税理士試験科目を取得している未経験者のほとんどが簿記論や財務諸表論を取得していますので、差別化するために国税三法(法人税法、所得税法、相続税法)や消費税法を取得しておくという方法もあります。(とは言え、国税三法や消費税法は取得も難しいので、手堅く簿記論と財務諸表論の取得を狙うのが無難ではあります。)
3:アルバイトで良いので実務経験を積んでおく
「未経験者」の定義は様々ですが、アルバイトでの勤務経験があると、「未経験者」と「経験者」の間の評価になる場合があります。もちろん「アルバイトなんて正社員としての経験に比べたら全然ダメだよ」と言う人もいますが、少なくとも「アルバイトすらしていない状態」よりは良い評価になるのは確かです。
例えば、税理士試験の受験生には、1年か2年の間、仕事をせずに試験勉強に専念する人もいますが、この場合、試験に合格していれば「資格」はプラスとなりますが、実務経験は「ゼロ」のままです。つまり、税理士試験科目に合格しても「未経験」であることには変わりありません。
ただ、もしこの期間に週に2日でも良いのでアルバイトで会計事務所で働いていたとしたら、資格だけでなく実務経験もわずかながらプラスになります。
また、アルバイトであれば日商簿記2級程度を取得していれば比較的簡単に採用してもらえるかいけ事務所も多いので、正社員へのステップとして経験を積むにはオススメの選択肢でもあります。(もちろん、アルバイトを頑張り過ぎることによって、本来受かるはずの試験に受からなければ本末転倒ですので、どれくらいアルバイトをするかのバランスも重要です。)
以上、未経験者が会計事務所に採用されるために押さえておきたい3つのポイントでした。これから税理士を目指す人、税理士試験の受験生の方など、参考にして頂ければと思います。
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