会計事務所の顧問先である中小企業や個人事業主が顧問税理士のことをどう思っているのか本音を聞く機会はあまりありません。今回、複数の中小企業や個人事業主・フリーランサーに顧問の税理士や会計事務所をどう思っているのか、匿名で伺ってみました。ケース8では、夫婦で事業を営まれ、会計事務所に顧問を依頼されているケースを取り上げます。
ケース8:夫婦で会計事務所にお願いしています
- 地域:愛知県
- 事業形態:法人、個人事業主
- 業種:ネットショップ等
1:現在、契約している顧問税理士or会計事務所の概要
4年ほど前に、小さな会社を立ち上げました。といってもスタッフは私と夫、私の従妹夫婦の4人だけです。ネットショップでの売り上げとアフィリエイトからが主な収入なのですが、夫がべつにフリーランスで仕事をはじめ、そちらも次第に売り上げが上がってきました。そのうちに、税理士さんに頼んだ方がいいのではないかということになり、現在の税理士さんにお願いするようになりました。
私達がお願いしている会計事務所は、会計事務所としてはとても規模が小さくて、個人事務所のようなところです。所長税理士さんと、スタッフふたりだけでやっています。また、お願いしている内容は、年に一回の確定申告の作成で、確定申告の費用として10万円を支払っています。それ以外に必要な都度メールか電話で質問ができるサービスがあって、これが月に1万円です。
2:税理士や会計事務所をどのように探したのか?
今の税理士さんと知り合ったきっかけは、夫の知り合いの友達だったから。完全に縁故だけでお願いした先生ですが、とても気さくで話しやすく助かっています。税理士さんは男性で、年齢は44歳。ちょうどうちの夫と同い年です。初めは、相性などがあわなければ変えてもいいかなと思っていましたが、結局はそのままお願いしています。
3:現在の顧問税理士or会計事務所に決めた理由は何か?
料金体系が非常にわかりやすく、リーズナブルだったからです。なにしろ法人化したといっても大して利益が上がっているわけでもないので、多額の費用は払えません。必要な部分だけのサポートを絞ってお願いできる事務所がよかったので、規模の小さい個人の会計事務所で十分でした。前述のメール相談のあと、必要な作業等が発生したらその都度別途支払うことになっていますが、実際にはたいていがメールで片がついてしまい、別途料金を支払ったことはありません。コンサルタントや営業面でのサポートは特に必要がないので、お願いしていません。顧問料というものも特には払っていません。会計事務所へ支払う費用が少なくて済むのが最大のメリットです。
4:現在の顧問税理士or会計事務所への評価
スタッフのうち一人は、税理士を目指して勉強中なので、先生がいないけれどもすぐになにかアドバイスが欲しい時にもある程度突っ込んだ質問ができて助かります。いろいろな意味でフレキシブルで頼りになる会計事務所さんだと思います。
実は、もう少し税務上のアドバイスが欲しくなってきていて、毎月の支払額が多くなっても相談量を増やしてほしいと考えているのですが、今の先生と会計事務所の体制では業務的にすでに手一杯のようで、お願いするのも悪いかなという気がしてなかなか言い出せません。個人会計事務所の限界かとも思いますが、残念です。かといって今さら大手の会計事務所に変えるつもりはないので、こちらがもっと勉強するしかないのかなと思っています。