会計事務所の顧問先である中小企業や個人事業主が顧問税理士のことをどう思っているのか本音を聞く機会はあまりありません。今回、複数の中小企業や個人事業主・フリーランサーに顧問の税理士や会計事務所をどう思っているのか、匿名で伺ってみました。ケース6では、数年かけて顧問会計事務所を選ばれたファイナンシャルプランナーの方のケースを取り上げます。
ケース6:数年かけて選んだ会計事務所です
- 地域:東海地区
- 事業形態:法人
- 業種:ファイナンシャルプランナー
1:現在、契約している顧問税理士or会計事務所の概要
私の顧問会計事務所は、私の事務所と同じ地域にあり、税理士兼公認会計士の資格を持つ女性税理士が一人で経営している個人の会計事務所です。従業員は一人もおらず、オフィス兼住居で会計事務所を運営されております。税理士兼公認会計士としての登録は数年前におこなっておられるそうですが、事務所を拡大する気はないようで、少数のお客さんとじっくりとお付き合いされたいご意向のようです。
2:税理士や会計事務所をどのように探したのか?
顧問の会計事務所を探すにあたっては、実際に会計事務所に依頼をしている人たちから話を聞くという方法をとりました。このため、最終的に顧問にする会計事務所が決まるまで数年かかっています。私はファイナンシャルプランナーとして相続・事業承継に関する仕事をしているため、相談にこられたお客さま方からさまざまな税理士の評判を聞くことができたためです。
それらの評判に加え、一緒に仕事をしたときに対応の早さと話のしやすさが特に印象にのこった現在の先生に顧問になってもらっています。インターネットで探したり、ダイレクトメールで営業してくる会計事務所に問い合わせをしたりすることはむしろ避けました。顧問になった後の日頃の対応がどのようになっているのかが一番重要だし興味深いと考えていたからです。
3:現在の顧問税理士or会計事務所に決めた理由は何か?
その税理士の先生が、クライアントに直接会って話をすることを苦にしておらず、むしろ喜んでいるように思えたのが一番大きな理由です。こうした志向は私に対する態度としても好感が持て、問い合わせに対して面倒くさそうだったり後回しにされたりしたことは全くありません。仕事の進め方も、依頼人の意向にあわせてさまざまな方法を考えたり、数ヶ月単位で計画をすすめる必要がある相続や会社解散のプロジェクトでは進行管理の計画を立ててくれるなど、税理士として最低限やらなければならない業務以外に面倒をみてくださる点もありがたいと思っています。
4:現在の顧問税理士or会計事務所への評価
報酬については相場なみだと思います。少なくともインターネットで顧客を勧誘するような会計事務所よりは高い、と思います。しかし、安心して使える会計事務所ですので特に不満ではありません。その反面、営業熱心さや金儲けとは無縁な態度をとることが多いので、顧客としては安心してつきあっていくことができます。資格がなければできない、税務相談や申告などの業務については特に不満はありません。
電子メールによる問い合わせに、遅くとも翌日にレスポンスを返してくれるのは非常にうれしいところです。