会計事務所の顧問先である中小企業や個人事業主が顧問税理士のことをどう思っているのか本音を聞く機会はあまりありません。今回、複数の中小企業や個人事業主・フリーランサーに顧問の税理士や会計事務所をどう思っているのか、匿名で伺ってみました。ケース5では、親の代からお付き合いのある会計事務所で担当者によって大きく対応が異なったケースを取り上げます。
ケース5:会計事務所は担当者次第
- 地域:非公開
- 事業形態:法人
- 業種:非公開
1:現在、契約している顧問税理士or会計事務所の概要
当社では、個人税理士ではなく会計事務所と契約しています。規模は十数人の税理士が所属する事務所で中規模です。現在担当してくれている会計士は40代前半の男性で、顧問料は月々6万円です。
サービスの内容としては、担当の方が毎月訪問し、月々の伝票を元に試算表を作成。報酬別で年末調整や決算処理も行ってもらっています。
2:税理士や会計事務所をどのように探したのか?
親の代から頼んでいる会計事務所です。最初は銀行に紹介されたと聞いています。
3:現在の顧問税理士or会計事務所に決めた理由は何か?
融資を受けた銀行からの勧めだったので、そこ以外に検討する余地は無かったようです。
4:現在の顧問税理士or会計事務所への評価
親の代からの先生は70歳代後半でまだ現役で出社しておりますが、実務は完全に別の税理士の方が担当しています。
私が会社に関わって今まで4人の担当の方がおり、担当者によって評価はそれぞれです。
最初の方は税理士の資格の無い50代後半の方でした。こちらの会社の業績などには無関心で自分のやりやすい提案ばかりしてくるのに嫌気がさしていたところで定年退職されました。
次の担当は税理士の資格を持つ30代前半の女性でした。融通が全くきかない面もありましたが、前任の方の方針でどんぶり勘定化していた社内のお金の動きをきちんと整えてくれました。当時の社長にももっときちんと経営状態を把握する様にと苦言を呈してくれ感謝しております。2年程担当された後、独立されるということで退社されました。
その次の担当は税理士の資格を持つ50代後半の男性でした。税務調査対策のためかなり細かい部分まで指摘する方でしたが、特に可もなく不可もなく、6年程担当して頂きました。
次の担当は税理士の資格を持つ40代前半の男性でした。この方に担当が変わった経緯は、当社の社長が交代したため、社長の意向での交代でした。交代の理由は前任の方の定年退職が近づいているので、先の長い若い担当者の方が良いという理由でした。この税理士の方は今までの担当の中では一番会社の経営について一緒に考えてくれる方で、非常に頼りになります。税理士の範疇を超えて様々なアドバイスをして下さいます。今や会計ソフトで個人でも決算まで行える時代ですので、会計士の付加価値として経営アドバイスをしていくべきだという考えの様です。
このように、現在の会計事務所は、会計事務所としてというより、その時の担当者で全く印象の変わる会計事務所です。大元の先生はいらっしゃいますが、その先生の方針はあまり見えてきません。親の代からお願いしてきた会計事務所ですので大元の先生が現役でいらっしゃる間は頼み続けると思いますが、長期的には良い担当者が続くかどうかで今後のお付き合いは変わってくるかもしれません。