会計事務所の顧問先である中小企業や個人事業主が顧問税理士のことをどう思っているのか本音を聞く機会はあまりありません。今回、複数の中小企業や個人事業主・フリーランサーに顧問の税理士や会計事務所をどう思っているのか、匿名で伺ってみました。ケース3では、経営状況やニーズを踏まえて適確な提案をして頂ける会計事務所を見つけられたベンチャー企業のケースを取り上げます。
ケース3:ベンチャー企業は先進的な顧問税理士・会計事務所を選ぶべき
- 地域:東京都
- 事業形態:法人
- 業種:コンサルティング
1:現在、契約している顧問税理士or会計事務所の概要
弊社が契約している会計事務所は税理業務を含めて契約させていただいております。一般的な決算対応のみをお願いしていますが、サービスメニューとしては、財務全般のコンサルティング業務、記帳業務アウトソーシングなどを行なっておられるようです。
2:税理士や会計事務所をどのように探したのか?
弊社は、知り合いのコンサルティング会社から紹介を受け現在の顧問会計事務所と契約しました。そのコンサルタントは、私の先輩にあたる方なのですが、私の人となりや事業に対しての考え方などを加味して推薦していただきました。私は、割とイケイケというか、ポジティブな性格なのでポジティブな会計事務所とのマッチングが良いと思われたようです。
基本、会計事務所や税理士事務所は保守的な考え方から業務をスタートします。ベンチャー企業には、そういった税理士はあまり合わないと思います。
3:現在の顧問税理士or会計事務所に決めた理由は何か?
弊社は、新規で立ち上げた会社です。守るべきものはある意味ないところからスタートしています。なので、旧態依然の保守的な会計・財務や税務では、感性に合わないというのが一番大きい理由で今の会計事務所を選びました。
4:現在の顧問税理士or会計事務所への評価
契約先の会計事務所で一番感謝しているのは、営業ネタの提供をしてもらえる点です。顧問契約をさせて頂いていて、ここが最も嬉しい点です。
2012年の事ですが、民主党政権時は、円高を基調とする運営でしたが、会計事務所の顧客先が円高や為替取引、それに伴うデリバティブ契約でかなり損失を被っているという話を聞きました。そこで、会計事務所から「そういう顧客を紹介するのでコンサルティングしてもらえないか」という提案を受けました。当時、円高によって毎月その損失に苦しんでいる経営者はかなりいましたので、そのメニューを考え、その顧問会計事務所に相談するとすぐに顧客を紹介してもらい、数十件の仕事に結びすきました。こういうWIN-WINの関係を構築できる会計事務所は、実は少ないのです。
要は、会計事務所に限らず、顧客が困っている事を解決することがビジネスチャンスにつながりますが、そういうことを積極的にヒヤリングし問題解決しようというポジティブな発想があるとないとでは、雲泥の差となります。弊社の場合は、コンサルティングを生業にしていますが、この会計事務所と契約している他の会社の社長とも話をする機会がありましたが、業種関係なく、この会計事務所は、そういうビジネスチャンスのネタと常に提供してくれているというのです。
今や士業も、本業プラスアルファを問われる時代で、基本サービスからいかにアドバンテージを取れるのかが重要なファクターになっていると思いますし、我々も常に我々の活動でいかに顧客を儲けさせることができるのか考えながらサービスにあたっています。そういう精神がある会計事務所がベンチャー企業には合うと思っています。