圧縮記帳とは、一定の要件を満たす固定資産を取得した際に、固定資産の帳簿評価額を圧縮(減額)して計上する手続きのこと。特定の収益の課税を繰り延べる効果を持つ。
例えば、火災保険の保険金収入等、収用・交換等の譲渡益は課税対象となるが、もし、課税されてしまうと火災保険金等で代替資産の取得が困難になるため、法人税法上一定の要件を満たす場合には、代替資産の取得価格を圧縮する損金を認め、譲渡益等の益金と相殺して一時の税額負担を軽くすることができる。圧縮記帳された資産の帳簿価額は、税務上では圧縮後の金額となり、その後の減価償却費、売却益は圧縮前と比較して過大となる。
圧縮記帳が認められるケースは、法人税法、租税特別措置法で規定されており、以下のようなものである。
1)特定の資産の買換え、交換により取得した買換資産(措法65の7~65の14)
2)交換により取得した固定資産(法50)
3)保険金等で取得した固定資産(法47~49)
4)収用、換地処分等により取得した代替資産(措法64、64の2、65)
5)その他、国庫補助金、工事負担金で取得した固定資産など