移転価格とは、企業グループ内の取引価格を示し、移転価格税制とはその取り扱いを定める税制を指す。具体的には、グループ企業ではない第三者との取引価格(「独立企業間価格」と言います)と移転価格が異なる場合、独立企業間価格で取引したと見なして課税する制度。
企業が国際的に展開し事業を行なっている場合、移転価格の設定次第で、企業のグループ内での利益配分が変わり、グループ企業の所在国によっても納税額が変わります。特に、一方の国で利益が増えれば、他方の国での利益は減ることから、移転価格は国家間の利益(税金)の額に影響があり、国家間の利益獲得競争に関連するという側面もある。
なお、税務業界では、移転価格は「Transfer Pricing Taxation」の頭文字をとってTPと略されることもある。