専従者と他の職業:元国税調査官・税理士 松嶋洋が語る!税務署の実態と税務調査対策ノウハウ

元国税調査官が税務調査対策すべてお話しします_元国税調査官・税理士_松嶋洋

本記事は元国税調査官・税理士 松嶋洋がセブンセンスグループのメルマガに掲載したコンテンツの再掲載です。記事内で言及されている法令ならびにその解釈はメルマガ掲載時のものとなります。

個人事業主の事業所得の申告において、青色申告をしている場合、その事業に従事する家族に対する給与を経費にできる、青色専従者給与という制度があります。

所得税の原則として、家族に対する支払いはそれが事業に必要であっても経費にはできません。

しかし、予め、自分の事業に従事する妻などの家族の氏名と給与額などを税務署に届けた上、その給与額が適正な金額の範囲であれば、彼らに支給した給与は、その事業主の事業所得の経費とされます。

この制度において、問題になることは大きく二つで、一つは適正額です。
法人が支給する役員給与も、安易な節税を防止するため適正な金額でないと経費にならないとされていますが、家族に支給する給与も同じように適正額の範囲しか経費にできません。

しかし、適正な金額など誰にも分かりませんので、役員給与と同じように、税務署とトラブルになります。

もう一つは、「専従者」という要件です。文字通り、青色専従者給与は、事業主が営む自分の事業に、専ら従事している家族に対する給与についてしか認められません。
例えば、奥様が平日サラリーマンとして別会社で勤務して、土日だけ事業主である自分の事業を手伝う、といったケースは対象外で、働いた土日分の給与を経費とすることはできません。

とは言え、これにも例外があって、個人事業主の事業に専従するのに妨げられない範囲なら、他の仕事をしても問題ない、とされています。

しかし、税務でいつも見られるように、どの程度なら妨げにならないのか明確な基準はなく、結果としてトラブルになります。

裁判例などから振り返りますと、もっとも重視されるべきポイントは、勤務日数です。
言い換えれば、家族である事業主の事業に従事する期間が短く、他の仕事の時間が長い場合には、専従者として認められない可能性が大きいです。
一方で、出勤状況については、絶対的な要件にはなりません。

とりわけ、近年はテレワークが一般化していますので、なおさらでしょう。

もちろん、業種によっては出勤しないと仕事にならないものがありますので、出勤しなくても問題ない業務か否かは問われます。

この点、一例として、飲食店を営むご主人の下で、直接接客に従事しているような場合には、当然出勤しなければなりませんので、このような場合には出勤状況は問題になります。

その他、他の職業から得る報酬額なども重要と言われます。

事業主である家族からもらう給与よりも、多額の報酬をその他の職業から貰っているようなケースは、家族が営む事業はメインとは言えません。
結果として、その事業に専従しているとは言えないことになります。

最終的には、これらの要素を総合的に見て判断されますので、注意してください。

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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?

元国税調査官・税理士・松嶋洋元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋

昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。
現在は税理士の税理士として、全国の税理士の税務調査や税務相談に従事しているほか、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキストは数多くの税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』『押せば意外に 税務署なんて怖くない』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という500回を超える税務調査に関するコラムを連載中。

参考サイト

著書

引用元:専従者と他の職業– 経営・会計コンサルティング

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