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小柴健右会計事務所_公認会計士・税理士_小柴健右氏


小柴健右会計事務所

公認会計士・税理士 小柴健右 様

事務所規模:1名
所在地  :奈良県奈良市
課題   :集客、業務効率化


「将来性」という観点から自分の立つべき市場を選び抜き、明確なポジショニング戦略とマーケティング戦略を実行している小柴さん。その起業家マインドに迫ろう。

起業家マインドで 戦略的な事務所運営を

例えば起業家なら、ビジネスを立ち上げる市場を明確にし、そのうえで商品をどう売っていくかというブランディングやマーケティングに取り組むだろう。しかし、すでにそのジャンルの専門家である会計士や税理士は、普段あまりそういうことを意識することは少ないと思う。
そのなかで、会計士・税理士というだけでなく、さらなるニッチ市場に特化した戦略を掲げている会計事務所がある。それが小柴健右会計事務所だ。
小柴さんが特化しているのは、「越境EC」という市場。平たく言えば、ネットを使って海外で通販をしている人たちに向けて業務をおこなっているのだ。

「私がまず考えたのは、“確実に拡大していく市場に自分のポジションを置こう”ということです。eコマースが拡大の一途を辿っているのはすでに明らかで、さらに今後は“副業”が増えてくると考えられます。越境ECは、副業の限られた時間でもちゃんと成果の出せるビジネスです。そうやって広がっていく市場に早い段階から参入することで、ライバルを少なくし、お客様のほうから来ていただくことができるんです」

eコマースでの輸出入ビジネスは新しい市場で、税法上もようやく整備されつつあるという状況だ。そうした特殊な知識を提供できれば、それが必要なお客さんには喜ばれ、自らも“専門家のなかの専門家”というポジションを打ち出せる。 まさに、需要の高いニッチに狙いを定める起業家と同じ発想というわけだ。

場所の制約がないという 新しい事務所の形

事務所開設当初からこうした戦略を打ち立ててきた小柴さんには、もう1つ利点がある。それは「場所に縛られない」ということだ。事務所は奈良にあるが、東京、静岡、新潟、鹿児島……と日本全国から顧客を獲得できるのだ。

「特化することにはリスクもありますが、今は情報過多の時代ですから、主張しなければ伝わりません。『越境EC特化事務所』と言い切ることで、必要としている方の目に留まりやすくなるんです」

場所によって顧客を得るのではなく、サービスによって顧客を得る。こうして日本全国に顧客を抱えられるのは、「クラウドでやり取りができるようになったからだ」と小柴さんは言う。

「パソコンにインストールするタイプの会計ソフトだと、遠隔地のお客様とのやり取りが大変です。その点、クラウドなら同じ画面を見ながら情報共有がスムーズにできます。それ以上に、バックオフィス業務を一元管理できるfreeeは、会計ソフトというよりも、むしろクラウドERPパッケージと捉えられるでしょう。単なる会計ソフトのクラウド化とは一線を画したコンセプトです。現時点では機能が横並びだったとしても、今後の開発では明らかに差がついていくと思っています」

業界内で名が売れ始めたことにより、問い合わせが増えている小柴さんは、従来の数字を突合して取引登録する方法では手が回らないため、現在は記帳代行サービスとfreeeの「入出金予定とマッチ」機能と組み合わせることで、貸方項目の登録を自動化している。さらに、自動化してもミスが生じる余地はあるので、ミスの原因をパターン化し、効率よく検証できる業務フローを作成。記帳の正確性を確保したまま生産性を向上させているという。

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大きなモニターにfreee会計の画面を映しながら打合せしている写真|小柴健右会計事務所 公認会計士・税理士 小柴健右 様

メイド・イン・ジャパンの誇りを取り戻したい!

小柴さんの顧客には、副業のまま越境ECをやっていきたいという人もいれば、会社をどんどん拡大させていきたいという人もいる。最初はお金を稼ぎたいというだけでも、やっているうちに愛着が育ち、「感動を売りたい」と言う人もいる。
小柴さん自身、彼らがどんなステージに立ってもきちんとサポートできるように、貿易事務や国際税務なども習熟し、知識の幅を広げている最中だ。すでに輸送方法や決済方法、海外での口座開設などインフラ面においては、業界内の主要企業と交流し、情報交換や業務提携をスタートさせている。

「日本には優れた商品、優れた企業がたくさんあります。しかし今、メイド・イン・ジャパンのブランド力は海外で非常に落ち目になっているんです。このままでは日本企業は国内で食い合うことになってしまう。そこをサポートしないと、足踏みをしているうちに日本のブランド力はあっという間にタイムリミットを迎えてしまうでしょう」

今後、日本企業が生き残るためには、現地に工場を作るといった従来の海外進出の方法ではなく、現地にローカライズされた商品PRを考えて販売していく必要があるが、それができる企業は非常に少ない。小柴さんはそこをサポートしたいと考えている。

「今後の市場で生き残るためにはブランドを作らないといけません。マーケティングが大事なんです。それはもちろん、われわれ会計士や税理士にも言えることです。とくにAIというシステムがもっと進化したら、今までどおりのことをやっていては勝てないでしょう」

これまで資格自体がブランドだった士業。AI時代には、さらにその先のブランディングが必要なのかもしれない。

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『越境EC×IT×会計税務』がコンセプト。
世界を相手にインターネットを利用した貿易業務をおこなう越境ECビジネスに特化した会計税務サービスを展開している。とくに、輸出入取引に関する日本の税務と海外の税法を総合的に勘案した税務アドバイス、ITツールを利用した円滑なコミュニケーションにより、顧客の利益最大化を目指している。

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