確実な印紙税の判定方法:元国税調査官・税理士 松嶋洋が語る!税務署の実態と税務調査対策ノウハウ

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本記事は元国税調査官・税理士 松嶋洋がセブンセンスグループのメルマガに掲載したコンテンツの再掲載です。記事内で言及されている法令ならびにその解釈はメルマガ掲載時のものとなります。

印紙税は税理士法上、税理士の担当税目でないこともあり、多くの税理士が苦手としています。

私自身国税OBとして印紙税の担当に従事したこともあり、税理士から印紙税が課税されるのか、課税されるとしていくらの印紙を貼るべきなのか、といった相談を多数受けています。

しかし、私などの国税OBに相談するまでもなく、無料で確実に印紙税の判断ができる方法があります。
それは、税務署に印紙税の過誤納確認申請を行う、というやり方です。

過誤納確認申請とは、簡単に言えば印紙税の還付の申請です。印紙税は契約書などを作成した場合に課税されますので、作成前であれば印紙を貼る必要はありません。
ここでいう作成とは契約書で言えば甲乙の両者がハンコを押して、契約書について合意した場合を意味します。

このため、例えば甲が契約書のひな形を作成し、乙にハンコをもらう前に印紙を貼ったものの、契約書の内容に間違いがあるため書き直した、といったケースは、乙の印鑑をもらっていないため、印紙税は課税されず、申請すれば印紙税が還付されます。

その他に、印紙税が還付されるケースとしては、200円の印紙を貼ればいいのに1万円の印紙を誤って貼ったり、印紙税が課税されない建物賃貸借契約書に印紙を貼ってしまったりした場合が挙げられます。

このため、印紙税の取扱いがわからない書類については、ちょっと多めの印紙を貼って印紙税の過誤納確認申請を行えば、税務署が印紙税の取扱いを調べ、課税されないものは印紙税が還付されます。

つまり、余計なコストがかからず、税務署に印紙税の取扱いを調べてもらえるのです。

ところで、印紙税の税務調査では、一見すると印紙税がかかりそうにない書類について、印紙税の対象に当たるとして、多額の印紙税が課税されることがあります。

この理由は、印紙税の対象になる契約書は、「顧客と
の意思の合致」を証する書類とされているからです。

一例として、修理業者が顧客に発行していた修理伝票について、請負契約書として多額の印紙税が課税された事例もあります。

伝票なので契約書ではなく、印紙税が課税されるなどあり得ない、といった理解だったと思いますが、このようなことがあり得るのです。

このような事態を防ぐ上でも、上記の過誤納確認申請は使えます。
すなわち、印紙税が課税される恐れがある書類について、過誤納確認申請を行うと、課税されるか否か、税務署のお墨付きももらえて好都合なのです。

なお、どのような書類を対象にすべきかですが、「顧客との意思の合致」が問題になる以上、少なくとも顧客に交付する書類になります。

このため、顧客に交付する書類のうち、日々の業務で大量に作成するものは、実際に交付する前に過誤納確認申請を受けておくと、都合がいいでしょう。

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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?

元国税調査官・税理士・松嶋洋元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋

昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。
現在は税理士の税理士として、全国の税理士の税務調査や税務相談に従事しているほか、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキストは数多くの税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』『押せば意外に 税務署なんて怖くない』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という500回を超える税務調査に関するコラムを連載中。

参考サイト

著書

引用元:確実な印紙税の判定方法 – セブンセンスグループ – 経営・会計コンサルティング

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