本年の税理士試験(令和5年度・第73回)の開催もいよいよ来月(8月8日~10日)となりました。
先日、本年(令和5年度・第73回)の税理士試験の受験申込者数が国税庁より発表されました。本年は、税理士試験の受験資格の緩和の影響もあり、前年比で4,404名(112.0%)の大幅な増加となりました。
本記事では、本年の税理士試験の受験申込者数に関する考察をお届けします。
今年も増加!税理士試験、受験申込者数の傾向は?
令和5年度・第73回 税理士試験の受験申込者数
まず本年の税理士試験の受験申込者数の内訳は以下のとおりです。「受験申込者数」「延べ人数での受験申込者数」ともに昨年と比較して増加となっています。
受験申込者数は、以下の通り、前年と比べて4,404名の増加、前年比112.0%となっています。
受験申込者数*
- 本年(令和5年度):41,256名(前年比112.0%、4,404名の増加)
- 昨年(令和4年度):36,852名(前年比103.0%、1,078名の増加)
- 一昨年(令和3年度):35,774名
*受験申込者数:本記事での数字は税理士試験の「申込者数」です。実際の「受験者数」は12月に国税庁から発表されます。
延べ人数での受験申込者数は、以下の通り7,653名の増加、前年比113.5%となっています。
受験申込者数(延べ人数)**
- 本年(令和5年度):64,156名(前年比113.5%、7,653名の増加)
- 昨年(令和4年度): 56,503名(前年比102.6%、1,437名の増加)
- 一昨年(令和3年度):55,066名
**受験申込者数(延べ人数):すべての科目の申込者数を合計した人数。複数科目受験する方がおられるため延べ人数となります。
直近12年間の受験申込者数(延べ人数)推移
また、以下が税理士試験の直近11年間の受験申込者数(延べ人数)の推移です。
昨年に引き続き、申込者数が増加となりました。令和3年度にひさしぶりに増加に転じた申込者数ですが、今年の申込者数は前年比113.5%(7,653名増)と3年連続での増加となりました。
本年より、税理士試験の受験資格が緩和されましたので、その影響も大きいと考えられそうです。
※画像をクリックすると拡大します。
科目別の受験申込者数は!?7科目で前年割れだが簿・財・消費税が増加
また、科目別の受験申込者数は以下の通りです。
科目別の受験申込者数
科目別の受験申込者数は、11科目中7科目において受験申込者数が前年を下回っていますが、簿記論、財務諸表論、消費税法の受験者数がそれぞれ増加する結果となっています。
個別の科目に関しては、事業税と固定資産税の減少幅が特に大きくなってはいるものの、初学者が受験する傾向にある簿記論と財務諸表論が増加しているということで、昨年に続き税理士を目指す人材が増えつつあることを期待させます。
これは前述の通り、税理士試験の受験資格が緩和されたことによる影響が大きいと思いますが、これらの方々が、来年以降も継続的に受験を続けてくれるか、また、会計系の仕事を目指してくれるか要注目です。
物価高・円安に伴う景気悪化の影響は!?今年の税理士受験生の就職活動は!?
会計事務所業界においては、税理士試験終了後は就職・転職シーズンとなります。
近年では、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、物価高・円安など、景気のマイナス要因となり得る事象はコンスタントに発生していましたが、幸いなことに会計事務所に関しては、まだまだ仕事が多く人手が足りない状況が継続しています。
そのため、転職市場においても就職希望者や転職希望者が有利な「売り手市場」となっており、今年も税理士受験生にとっては活動しやすい状況となることが予想されます。最近は、税理士試験前に就職説明会を開催する会計事務所も多くなっていますので、このチャンスをうまく活かし、良い転職先を見つけて頂ければと思います。
なお、当サイトでは各主要都市の会計事務所の就職説明会の情報もまとめてありますので、下記もご参考頂ければと思います。
- 2023年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【関東・東京・横浜編】
- 2023年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【関西・大阪・京都編】
- 2023年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【名古屋、福岡など関東・関西以外の地域編】
税理士試験まで残すところ1ヶ月を切りましたが、みなさまのご健闘をお祈りしております!
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