このコーナーでは、弥生のサービスを活用して、会計事務所経営を効率化した弥生PAP会員様をご紹介していきます。
今回は、弥生会計 オンラインを活用している税理士法人ライズ様をご紹介いたします。
2019年1月に開業された税理士法人ライズ様。
さまざまな経営スタイルの税理士事務所がある中で、税理士法人ライズ様は、ライズグループ傘下のライズコンサルティングと連携し、税務会計とコンサルティングをワンストップで提供し、経営を拡大されています。
そんな税理士法人ライズの髙田先生が、弥生会計 オンラインを導入された理由とは?弥生会計(デスクトップ)に加えて、弥生会計 オンラインを導入することによって、事務所経営において感じていた課題をどう解決されたのかを伺いました。
本記事の目次
- 今回ご紹介するサービス
- 今回インタビューした会計事務所
- 導入前の課題
- 弥生会計 オンラインに対する印象
- 弥生会計 オンラインに適しているユーザー
- 弥生会計 オンラインの導入や操作指導
- 弥生会計 オンライン導入の成果
- 弥生会計 オンラインへの要望
- 弥生会計 オンラインを検討している会計事務所へのメッセージ
今回ご紹介するサービス
弥生会計 オンライン
弥生会計 オンラインの特徴
- 「弥生会計 オンライン」データの閲覧・修正・決算の対応まで「弥生会計 AE(※)」で対応可能。
- クラウド上でデータ一元管理、データやり取りの工数が一切不要。
- 常に最新の法令に対応。バージョンアップの手間が不要。
(※)「弥生会計 AE」は会計人向けの機能を搭載した会計事務所専用ソフトです。ご利用には弥生PAPへのご入会が必要です。
弥生会計 オンラインの料金や詳細については、下記をご確認ください。
今回インタビューした会計事務所
税理士法人ライズ
2019年1月創業、東京都豊島区池袋に事務所を置く。ライズグループの税理士法人ライズとライズコンサルティングが連携し、税務会計とコンサルティングの高度な知識を持つプロフェッショナルとして税務会計だけにとどまらない幅広い分野の課題解決に対応している。
顧問先の対象エリアは、東京を中心に、埼玉、千葉、神奈川など関東近郊に対応。
代表者:髙田 健太郎(代表社員税理士)
中央大学商学部卒業。都内税理士法人・監査法人で税務及びコンサルティング業務に従事。その後、税理士試験に合格、税理士登録。東証プライム上場企業の法人税務や連結納税、組織再編、事業承継、相続、M&Aなどの業務に携わる。平成31年(2019年)1月に税理士法人ライズを設立。
事務所概要
- 事務所について
- 事務所の人員数:7名(うち税理士2名)
- WEBサイト:https://rise-tax.com/
- 顧問先について
- 顧問先数:約100件(法人70件・個人30件)
- 顧問先の売上高:1千万円未満~100億円超まで幅が広い(法人顧客)
- 顧問先のエリア:東京、埼玉、千葉、神奈川など
- 自計化と記帳代行の比率:自計化8割、記帳代行2割
- 会計ソフトについて
- 使用している会計ソフト: 主に弥生会計。その他、勘定奉行、PCA、freee、MFクラウドなど
- 弥生会計(デスクトップ)と弥生会計 オンラインの比率:弥生会計(デスクトップ)8割と弥生会計 オンライン2割
- サービスの方針:
- 税務以外にも、グループのコンサルティング会社にて、事業再生、事業計画の作成、資金繰り管理、経営者コーチングなどのサービスを提供し、税務とコンサルティングサービスをワンストップで提供している。
- お客様の役に立つことをモットーとし、税務に限らず、顧問先が気づいていない問題を提起し、解決する。
- 事務所経営の方針:
- 新設法人も含めて顧問先を獲得し、事務所の規模を拡大していきたい。
- 後継者がいない個人会計事務所とM&Aを行い、引退を考えている先生の受け皿になりたい。
※事務所概要は記事公開時点での情報です。また、2022年11月22日に行われたインタビューを元に執筆しています。
導入前の課題
―弥生会計 オンラインを導入する以前は、会計ソフトをどのように使用していましたか?
当事務所のお客様は、8割が自計化されていて、そのうち大規模企業は勘定奉行やPCAを、中小企業は弥生会計(デスクトップ)を選択されているケースが一般的でした。
その中でも弥生会計(デスクトップ)の使用率が高く、同じ会計ソフトで統一したほうが作業しやすいという理由もあり、お客様から会計ソフトを変更したいとご相談があれば、弥生会計(デスクトップ)を優先してお薦めしていました。
―弥生会計 オンラインを導入する以前は、デスクトップ型会計ソフトに何か課題は感じていましたか?
デスクトップ型会計ソフトは、入力はスピーディーに行えるものの、経営者の方にタイムリーに数字を確認していただくことができない点に課題を感じていました。
具体的には、経営者が数字を確認するためには、経理担当者に試算表の印刷を依頼し、そこから、経理担当者がデスクトップ型会計ソフトが入っている端末を開いて印刷し、それを受け取らなければなりませんでした。
また、デスクトップ型会計ソフトの場合、例えば、小売・サービス業などで、スマレジ等の外部システムと連動させるときも、経理担当者の売上の取り込みの作業が遅れると、特定端末でしかその状況を確認できないため、経営者などの目が届きづらくブラックボックス化しやすいことが情報の伝達スピードが遅いというデメリットに繋がっていました。
- 経営者が数字を確認したい時にすぐ見ることができず、スピード面で課題を感じていた。
弥生会計 オンラインに対する印象
―弥生会計 オンラインを使ってみた感想を教えてください。
弥生会計 オンラインは、クラウド型会計ソフトの特性上、デスクトップ型と比べて作業スピードは遅くなりますが、顧問先が売上データを見たいと思ったタイミングで、ご自身でログインして確認することができるため、利便性が上がりました。
他社のクラウド型会計ソフトも色々使ってみましたが、弥生会計 オンラインは、弥生会計 AEと連携しており、慣れ親しんだ弥生会計(デスクトップ)の画面で操作できるため、会計事務所目線で見ると最も使いやすいと感じています。
- 顧問先にとっては、いつでもどこからでも数字を確認することができる点で、利便性が高い。
- 会計事務所にとっては、弥生会計 AEで作業できる点で最も使いやすい。
弥生会計 オンラインに適しているユーザー
―弥生会計 オンラインの導入をお客様に薦めたことはありますか?
お客様から会計ソフトについてご相談があった場合、まだ部門管理が不要な小規模な事業者様であれば、クラウド型会計ソフトをお薦めしています。
また弥生会計 オンラインは、クラウド型会計ソフトの中でも、お客様にとっては価格面でメリットがあり、当事務所にとっても弥生会計 AEで操作できて作業しやすいため推奨しています。
―どのような顧問先が弥生会計 オンラインに適していると思いますか?
創業したてのお客様や小規模のお客様の中には、「完全な経理部は持てないけど、会計事務所に払うコストをできるだけ抑えたい」というお客様もいらっしゃいます。
そのようなお客様は、「記帳代行をすべて会計事務所に依頼するのではなく、自分たちでできることを行うことで顧問料が下げられる」という点で、弥生会計 オンラインが適していると思います。
また経理担当者の観点から見ると、経理経験が長い専任の担当者がいるお客様には、弥生会計(デスクトップ)を推奨する一方で、担当者の経理経験が浅い場合や、数字をタイムリーに確認したいというご要望がある場合は、弥生会計 オンラインをお勧めしています。
- 顧問先にとっては、いつでもどこからでも数字を確認することができる点で、利便性が高い。
- 会計事務所にとっては、弥生会計 AEで作業できる点で最も使いやすい。
弥生会計 オンラインの導入や操作指導
―弥生会計 オンラインを使うときに、事務所内の運用ルールを変えるなど、何か変更点はありましたか?
お客様への対応は、私が中心に行っているので、特に事務所内のルールは変えていません。
導入に際しては、例えばスマート取引取込など初めての機能の使い方がわからないお客様には操作方法をご説明したり、最初の設定を間違えると仕訳にも影響がありますので、設定のご案内には気を付けています。
―弥生会計 オンラインで、ここは留意したほうが良いというところはありますか?
弥生会計 オンラインは、自動で仕訳が切れるメリットがある一方で、簿記の知識が乏しい方でも、データを取り込むと仕訳が切れてしまうので、決算になって残高が合わないことが発覚して、慌てて原因を探すといったこともありました。
実際に使っていくことで、「ここは会計事務所が関与した方が良い」「ここはお客様にお任せしても大丈夫」という点が、徐々に分かるようになってきて、使いながらノウハウを蓄積しています。
また、銀行口座やクレジットカード明細と連携した仕訳は現金主義での仕訳になるため、そこから発生主義に修正するために、会計事務所で書類をお預かりして、一部、こちらで仕訳を入力する必要があります。
期末時だけ売掛金、未払費用などを計上して、年間で発生主義にするという方法もありますが、コロナの助成金などの公的な書類や、銀行に提出する書類など、月次で発生主義になっていないと困る場合もあります。
そのため、弥生会計 オンラインを利用しているお客様からは、資料をお預かりして、会計事務所が請求書を見ながら未払金の計上の仕訳を加えて、消込の仕訳に修正しています。
ちなみに、Misocaを使っている場合は、売掛金が計上されて売上は発生主義になるので、銀行口座と連携させれば消込まで自動経理化が行えます。同様の形でMisocaに支払管理機能も付いていると、会計事務所で仕訳をする必要が無くなり便利だと思います。
- 初期設定を間違うと仕訳に影響が出てしまうので、導入時に会計事務所がしっかりサポートすることが重要。
- 発生主義で月次損益を把握したい場合は、費用については会計事務所側で入力する必要がある。売上はMisoca等との連携により自動経理化が可能。
弥生会計 オンライン導入の成果
―弥生会計 オンラインの導入によってどういった成果がありましたか?
弥生会計 オンラインによって、経営者の方にいつでもどこでも見たいときに数字を確認していただけるようになり、課題を解決することができました。
また、これからの時代は、経理担当者が仕訳を直接入力するというよりも、スマート取引取込や仕訳連携機能などを使っての自動仕訳がメインになってくると思うので、今のうちにそういう機能に慣れておくという点でも良いと感じています。
もうひとつ大きな成果としては、第3の選択肢ができた点です。
今まで、会計事務所とお客様との契約には、「自計化」と「記帳代行」の2つの選択肢しかありませんでしたが、弥生会計 オンラインという3つめの選択肢ができました。
「現時点ではお客様だけで経理を完璧にこなすことはできないけど、将来的に自計化の体制が整えられるよう、弥生会計 オンラインを使ってお客様と会計事務所で分業しながら一緒に準備していきましょう」、そういった「自計化と記帳代行の中間的な形」です。
―第3の選択肢ができたことで良かった点はありますか?
当事務所も、そして、おそらく他の会計事務所様も頭を悩ませているのが、インボイス制度と電帳法の改正ではないかと思います。
今までは、記帳代行のお客様は、書類をすべて会計事務所に預けて任せていたところも多いと思います。ですが、法改正後は、記帳代行の業務量が大幅に増加し、会計事務所がすべて対応するのは困難になることが予想されます。
具体的には、電帳法の対応としてデータ保存が必要になりますが、それを会計事務所にすべて依頼するというのは不可能で、お客様ご自身でやらなければならないことも出てくるのではないでしょうか。
と言っても、今までパソコンやスマートフォンの操作をしていないお客様が、スキャンやクラウド保存を行うように言われても困ると思います。
その点、弥生会計 オンラインは、お客様がクラウドサービスに慣れてもらうための練習として、最適のサービスであり、今後の法改正への対応も楽になるものと考えています。
- いつでもどこでも経営者が見たいときに数字を確認できようになった。
- 自計化と記帳代行の中間の第3の選択肢ができ、顧問先に自計化を促すきっかけができた。
- 顧問先が、弥生会計 オンラインを通じてクラウドサービスに慣れることで、電帳法やインボイス制度などの法改正に対して、顧問先自身でデータ保存ができるようになる。
弥生会計 オンラインへの要望
―弥生会計 オンラインの内容についてご要望はありますか?
弥生会計 オンラインとやよいの給与明細 オンラインは同じクラウドサービスですが、現在は連動していません。両者を連動させて、給与を未払計上して、発生ベースで仕訳が切れるようになると非常にありがたいです。
また、帳簿の作成に必要な作業や、スマート取引取込の説明など、弥生会計 オンラインの使用方法を体系的に説明してくれるマニュアルがあると嬉しいです。
あと、先程も申し上げましたが、弥生会計 オンラインに限った話ではありませんが、発生主義で仕訳を切るために、Misocaに支払の管理機能があると良いですね。
- 弥生会計 オンラインとやよいの給与明細 オンラインを連動させてほしい。
- 弥生会計 オンラインのマニュアルを作成してほしい。
- Misocaに支払管理機能を付けてほしい。
弥生会計 オンラインを検討している会計事務所へのメッセージ
―今後の展望を教えてください。
弥生会計 オンラインで、3つめの新たな選択肢ができたので、今後は、新規のお客様を開拓していきたいです。
お客様にとっては、ご自身で作業の一部を行う代わりに顧問料が安く済みますし、当事務所にとっては、あまり工数をかけずに顧問先を増やすことができて、互いにメリットがあると思います。
―導入を検討している会計事務所の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。
私もそうでしたが、新しい会計ソフトを導入するのは面倒だと感じる方は多いと思います。
ただ、実際に使用してみると、自分がそれまでイメージしなかった部分が見え、新しい発見があり、色々な活用法が思いつくこともあるので、まずは一度試していただきたいと思います。
また、弥生PAP会員の方は、パートナー版の弥生会計 オンラインを試せるようになっているので、自分の事務所の経理で試してみて、使い勝手を判断するのも良いのではないでしょうか。
写真左:佐藤 聡(ライズグループ代表 税理士)
写真右:髙田 健太郎(税理士法人ライズ代表社員 税理士)
―本日は、貴重なお話やご意見をありがとうございました。
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