このコーナーでは、元国税調査官・税法研究者・税理士である松嶋洋氏のFacebookでのコメントをご紹介していきます。
今回は1月3日、4日、6日のコメント「預金が名義財産とされた決定打」「重ダンクトラップは車両運搬具か」「航空券のインボイス対応」の3件をご紹介します。
預金が名義財産とされた決定打
相続の税務調査で対象となる可能性が高いものといえば、預金です。名義預金についての記事が紹介されています。
税のしるべ(令和4年12月19日号)では、姉の相続で、妹名義の預金が姉の相続財産として決定処分された事例について伝えられています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、妹が税務調査で行った申述をあげ、特に名義財産では余計なことを言わないことが必要とコメントしています。
相続は税務調査のリスクが高く、他の申告より税理士報酬を高めに設定したり、受任しない税理士もいるのではないでしょうか。相続は、信頼できる相続専門の税理士に頼むことが良策と言えそうです。
重ダンクトラップは車両運搬具か
「重ダンプトラック」と聞いてすぐイメージが浮かぶでしょうか。土砂や岩石を運搬しているのですが、工事現場で稼働しているので、多くの人は見たことがないと思います。
週刊T&A master(2022年11月14日号・No954)によると、重ダンプトラックが機械装置になるか、車両運搬具になるかが争われた事例で、国税不服審判所が、車両に該当するとは言えないと判断したと伝えられています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、「主要部分が車両」だからという国税のロジックは、どうとでも解釈できるから困ると苦言を呈しています。
「走る」点に着目するのではなく、どのような作業目的で使うのかを考えると、適切な判断ができるということのようですね。
航空券のインボイス対応
ただいまインボイス対応真っ最中という企業も多いのではないでしょうか。インボイスは交付義務が免除される場合があり、どのような場合に免除されるのか細かく規程されています。
税務通信No.3734(2022.12.26)によると、航空券は免除対象外でインボイスの保存が必要になることや、保存する際の注意点について伝えられています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、インボイス制度では航空券の保存が必要になるので、航空会社はきちんと対応しないといけないと指摘します。
社員自ら航空券を取るケースも多々あると思うので、経理担当者だけではなく、社員にも注意事項として周知する必要がありそうです。
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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?
元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋
平成14年東京大学卒業後、国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、企業税制研究所(現日本税制研究所)を経て、平成23年9月に独立。
現在は通常の顧問業務の他、税務調査対策等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈をフル回転させるとともに、当局の経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んで解説した、税制改正解説テキスト「超速」シリーズは毎年数百名の税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』『社長、その領収書は経費で落とせます!』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という200回を超えるコラムを連載中。
<参考サイト>
<著書>
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)