このコーナーでは、元国税調査官・税法研究者・税理士である松嶋洋氏のFacebookでのコメントをご紹介していきます。
今回は7月20日、23日、27日のコメント「インボイス制度のクレカ明細の取扱い」「免税事業者取引とシステム改修」「キャバクラキャストへの支払訴訟」の3件をご紹介します。
インボイス制度のクレカ明細の取扱い
現在は、クレジットカード利用明細を見て仕訳するケースもありますが、インボイス制度導入後は、新たに証憑が必要となるなど、業務が複雑になりそうです。
今回、税務通信No.3711(2022年07月11日)では、クレジットカードのWEB明細を検索要件等を満たす形で保存すること、及び、3万円未満の決済分も含めてインボイスを保存することが必要になると伝えられています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、一般の方はクレジットカード明細だけで仕入税額控除が取れないことを知らない方も多いので、伝えておく必要があるとアドバイスしています。
仕入税額控除が受けられずトラブルに発展するケースも出かねません。インボイス制度導入後、仕入税額控除を受けるために必要な証憑や保存方法について、顧問先への事前説明は念入りに行う必要があります。
免税事業者取引とシステム改修
インボイス制度は、免税事業者からの仕入れに係る経過措置を設けているため、どのように仕訳すべきか悩むところです。
週刊税務通信No.3712(2022年07月18日号)では、免税事業者と取引を行う場合に、システム改修や仕訳処理をどうすべきか伝えられています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、業務の簡素化のために税抜経理を廃止したいができないと、制度の問題点を指摘しています。
キャバクラキャストへの支払訴訟
キャバクラキャストへの支払いをめぐる係争は数多くあります。
今回、国税速報令和4年7月25日(第6716号)では、キャバクラキャストへの支払いが外注か給与か争われた事例で、給与とされた事例について伝えられています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、訴訟では、外注か給与か判断する基準を指揮命令の有無に関連付けて示しているが、外注でも指揮命令は行われるわけで、判断しづらい基準だと苦言を呈しています。
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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?
元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋
平成14年東京大学卒業後、国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、企業税制研究所(現日本税制研究所)を経て、平成23年9月に独立。
現在は通常の顧問業務の他、税務調査対策等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈をフル回転させるとともに、当局の経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んで解説した、税制改正解説テキスト「超速」シリーズは毎年数百名の税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』『社長、その領収書は経費で落とせます!』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という200回を超えるコラムを連載中。
<参考サイト>
<著書>
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)