このコーナーでは、元国税調査官・税法研究者・税理士である松嶋洋氏のFacebookでのコメントをご紹介していきます。
今回は3月12日、15日、22日のコメント「フェラーリは経費になるか」「e-Tax不具合の延長方法に疑問」「それでも国税局に相談する意味」の3件をご紹介します。
フェラーリは経費になるか
フェラーリやクルーザーなどは個人的な趣味の道具というイメージが強く、事業に必要な経費として認められるのかという議論がよくされます。
今回、松嶋洋氏が監修・対応税理士を務める税務調査対策ドットコムで、フェラーリの経費性が否認された事例を紹介しています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、回答は錯綜しているとして、国税の統一が取れていない対応を揶揄しています。
国税のさじ加減ひとつで否認される可能性があるため、フェラーリを事業で使うときはそれ相応の覚悟が必要なようです。価値が減価すると認められるものを購入する、事業のために使用していることが証明できる証拠を用意しておくなど、防衛策も欠かせません。
e-Tax不具合の延長方法に疑問
確定申告期日前日にe-Taxのシステム障害が起きて、会計事務所は対応に追われて大変だったのではないでしょうか。
朝日新聞DIGITAL (2022年3月15日付)では、e-Taxのシステム障害と確定申告の期限延長方法について伝えています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、余白に書き忘れると延長NGになるのはおかしいと、本来適用すべき条文があるのに適用していない国税に対して問題を指摘します。
確定申告は4月15日まで個別に期限延長されることになりましたが、1年でもっとも忙しいタイミングでのシステム障害に、会計事務所の皆さんの心労は大きかったと思います。来期はこのようなことが起きないようにしてもらいたいものです。
それでも国税局に相談する意味
国税局にグレーゾーンの取引を相談することはよくありますが、回答通りに処理して安心していませんか?
税務通信No.3696 (2022年3月21日号)では、国税局に税務相談したのに回答が誤っていて、税務調査で課税された事案が紹介されています。
これに対してFacebookで、松嶋先生は、誤指導による場合は加算税が課されないので、積極的に税務相談を活用すべきとアドバイスしています。
国税庁に税務相談したときは、日時や経緯などをメモしておくと、後日役立つかもしれませんね。
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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?
元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋
平成14年東京大学卒業後、国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、企業税制研究所(現日本税制研究所)を経て、平成23年9月に独立。
現在は通常の顧問業務の他、税務調査対策等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈をフル回転させるとともに、当局の経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んで解説した、税制改正解説テキスト「超速」シリーズは毎年数百名の税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』『社長、その領収書は経費で落とせます!』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という200回を超えるコラムを連載中。
<参考サイト>
<著書>
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)