インボイス制度Q&A納税者感覚と乖離、9割超がグループ通算制度へ移行、確定申告簡易な期限延長は4月15日までなど全3件:元国税調査官・税法研究者 松嶋洋が語る 税法解釈と税務調査の真実

元国税調査官・税法研究者 松嶋洋が語る_税法解釈と税務調査の真実

このコーナーでは、元国税調査官・税法研究者・税理士である松嶋洋氏のFacebookでのコメントをご紹介していきます。

今回は1月31日、2月1日と14日のコメント「インボイス制度Q&A納税者感覚と乖離」「9割超がグループ通算制度へ移行」「確定申告簡易な期限延長は4月15日まで」の3件をご紹介します。

インボイス制度Q&A納税者感覚と乖離

令和5年10月よりインボイス制度が始まります。課税事業者に変更すべきかどうか迷っている免税事業者の方もおられるのではないでしょうか。

税務通信No.3688 (2022年1月24日号)では、インボイス制度導入による事業者取引に影響を与える問題について、財務省や公正取引委員会等のQ&Aが紹介されています。

これに対してFacebookで、松嶋先生は、Q&Aのなかで、免税事業者への消費税分の支払いを拒絶する行為は問題になるとした箇所について、納税者の感覚として仕入れにかかる消費税は預け金なので、論理的に破綻していると問題視しています。

Q&Aは下記で公開されています。免税事業者の方と、免税事業者と取引をする方の双方に役立つ内容になっていますので、ご確認ください。

9割超がグループ通算制度へ移行

2022年3月期で連結納税制度が廃止され、2022年4月1日から開始する事業年度より、グループ通算制度へと移行します。

税務通信No.3688 (2022年1月24日号)では、TKCが行ったグループ通算制度に関する調査が紹介されています。その中で、連結納税適用企業のうち93.6%がグループ通算制度へ移行したと伝えられています。

これに対してFacebookで、松嶋先生は、グループ通算制度はほとんどメリットがないのに、これほど多くの企業が移行したのは問題だと疑問を投げかけています。

グループ通算制度は事務手続が簡単になり、メリットがあると思っている方も多いかもしれません。2022年4月1日以後最初に開始する事業年度開始日の前日までは「グループ通算制度へ移行しない旨の届出書」を提出できるので、じっくり制度内容を精査してみるのも良いかもしれませんね。

確定申告簡易な期限延長は4月15日まで

保育園や学校の休校、休園、学級閉鎖が相次いでいます。子どものいる家庭では、仕事ができずに困っている方も多いのではないでしょうか。

そのような中、税務通信No.3690 (2022年2月7日号)では、国税庁が簡易な方法による期限延長を認めたと伝えられています。

これに対してFacebookで、松嶋先生は、4月16日以降は従来どおりの提出が必要になるので、ケアレスミスが発生する可能性があると注意喚起されています。

国税庁Webサイトでは、確定申告・納付の期限延長について、記載例やFAQを公表しています。

申告書の余白に所定の文言を記載するだけの簡単な方法なので、時間がなくて申告書まで手が回らないという方は、利用してみてはいかがでしょうか。

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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?

元国税調査官・税理士・松嶋洋

元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋

平成14年東京大学卒業後、国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、企業税制研究所(現日本税制研究所)を経て、平成23年9月に独立。

現在は通常の顧問業務の他、税務調査対策等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈をフル回転させるとともに、当局の経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んで解説した、税制改正解説テキスト「超速」シリーズは毎年数百名の税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。

著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』『社長、その領収書は経費で落とせます!』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という200回を超えるコラムを連載中。

<参考サイト>

<著書>

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【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

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