2021年9月の税理士業界ニュースをお届けします。
「綾瀬はるか母の投資トラブルに顧問税理士関与?」「東京国税OB50社に20億円の脱税指南」「税務調査進むリモート化」の3本です。
綾瀬はるか母の投資トラブルに顧問税理士関与?
女優の綾瀬はるかさんと言えば、好感度で常に上位にランクインしていますが、その抜群の好感度を悪用される事件に巻き込まれてしまったと言うのです。
今回、綾瀬はるかさんの投資トラブルに関する記事が、日刊ゲンダイDIGITALよりリリースされています。
舞台は綾瀬の地元・広島。綾瀬家が代々お世話になっているという税理士のA氏が綾瀬の母に資産運用を提案、30代の3人組投資グループが運営する月利3%の投資商品をすすめたという。
引用元:綾瀬はるかに1億円投資トラブル発覚! 顧問税理士の“広告塔”利用に信頼回復必至(日刊ゲンダイDIGITAL 2021年9月16日付)
記事によると、綾瀬はるかさんの母が、顧問税理士が薦める投資商品に1億円を出資したものの、今年5月に投資グループの口座がマネーロンダリングの疑惑で凍結されて、詐欺疑惑が浮上していると伝えられています。
綾瀬はるかさんの知名度を利用した勧誘行為も行われていたということで、損害は投資額だけでは済みそうにありません。綾瀬はるかさん親子には落ち度はなく、気の毒としか言いようがない事件です。
詳細は下記の記事をご覧ください。
東京国税OB50社に20億円の脱税指南
国税OBの指導による、悪質な脱税事件が発覚しました。
今回、「トーマスコンサルティング」という社名のコンサルティング会社のの脱税指南に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
経営コンサルティング会社「トーマスコンサルティング」(千葉県市原市)と顧問先の約50社が東京国税局の税務調査を受け、昨年までの7年間に計約20億円の所得隠しを指摘されたことが関係者の話でわかった。
引用元:国税OBの税理士が税務申告担当、廃業で「懲戒処分逃れ」か…コンサル所得隠し指南(読売新聞オンライン 2021年9月20日付)
記事によると、トーマスコンサルティングの元社長は、顧問先に対して、「赤字法人」を使った税逃れを指導していたと伝えられています。また、申告手続はトーマスコンサルティング元社長が実質的に経営する、トーマス税理士法人が行っていましたが、所属する東京国税局OBの税理士らは、税務調査の開始後に税理士を廃業し、懲戒処分を免れていたということです。
東京国税局OBという肩書を信頼していた顧問先も多かったのではないでしょうか。脱税指南と並んで、大手税理士法人の名前を想起させる税理士法人名や、懲戒処分逃れの行為にも悪質さを感じる事件です。
詳細は以下の記事をご参照ください。
税務調査進むリモート化
税務調査は、緊急事態宣言で一時期は先送りされていましたが、感染リスクに留意しながら再開されています。そして、新たな取組としてリモート化が進められているようです。
今回、税務調査のリモート化に関する記事が、朝日新聞DIGITALよりリリースされています。
国税局が税務調査の「リモート化」を進めている。企業側は歓迎ムードだが、画面越しでも、きちんと不正を見抜けるのか。
引用元:画面越しで不正見抜ける? リモート税務調査、コロナ禍で広がる(朝日新聞DIGITAL 2021年10月4日付)
記事によると、企業から借りたパソコンで企業のデータサーバーにアクセスして調査をすすめる手法が取られており、新型コロナウィルスの感染リスクがなくなるため、企業からも歓迎されていると伝えられています。
リモートと言えば、監査人による会計監査でもリモート化が進んでいますが、会計不正を公表した企業が前年の半分近くまで減少したという報道もありました。リモート税務調査は、リモート勤務を取り入れる納税者にとってメリットがあり、税務調査もしやすくなる反面、実効性については今後の調査結果を見守る必要がありそうです。
詳細は下記の記事をご覧ください。
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)