このコーナーでは、弥生のサービスを活用して、会計事務所経営を効率化した弥生PAP会員様をご紹介していきます。
今回は、弥生の記帳代行支援サービスを活用しているベンチャーサポート税理士法人様をご紹介いたします。
平成15年(2003 年)に創業されたベンチャーサポート税理士法人様。
さまざまな経営スタイルの税理士事務所がある中で、全国に14拠点を設け、1万件という圧倒的な数の顧問先様をサポートし、順調に事業規模を拡大しながらご活躍されています。
そんなベンチャーサポート税理士法人様が、弥生の記帳代行支援サービスを導入された理由とは?記帳代行件数9,000件という膨大なボリュームを抱えて感じていた課題、また、それをどう解決されたのかを伺いました。
本記事の目次
- 今回ご紹介するサービス
- 今回インタビューした会計事務所
- 導入前の課題 –記帳代行支援サービス
- 選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
- 導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
- 導入後の成果 –記帳代行支援サービス
- 使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
- 記帳代行支援サービスへの要望
- 記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
今回ご紹介するサービス
弥生の記帳代行支援サービス
会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化するサービスで、弥生PAP加入の会計事務所が利用できます。
記帳代行支援サービスでできること
紙証憑のデータもインターネットバンキングのデータも、弥生の記帳代行支援サービスを利用して自動で仕訳に変換することで、会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化します。納品された仕訳は、「弥生会計AE」で、仕訳と元の紙証憑の画像を同時に確認可能です。
記帳代行支援サービスの特徴
- 証憑データのお預かりから1営業日で納品
- 入力・確認・修正にかかる工数を減らし、相談などの付加価値業務の時間を増やせる
- 担当者ごとの品質バラつきやミスも減らせる
記帳代行支援サービスの料金や詳細については、下記をご確認ください。
今回インタビューした会計事務所
ベンチャーサポート税理士法人
平成15年(2003 年)創業。東京、横浜、大阪、福岡、名古屋、仙台に計14拠点を構える。クライアントは約1万件で内訳は法人9,000件、個人1,000件。「ベンチャーサポート」の社名の通り創業支援を中心に税務サービス以外にも幅広い相談にワンストップで対応。
グループ会社に、ベンチャーサポート相続税理士法人、ベンチャーサポート社会保険労務士法人、ベンチャーサポート行政書士法人、ベンチャーサポート司法書士法人、弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所、ベンチャーサポート不動産株式会社を有する。
坪井 伸樹(税務コンサルタント)
大阪IT会計専門学校税理士課を卒業後、会計事務所に4年半勤務。その後平成25年9月にベンチャーサポートへ入社。
事務所概要
- 事務所の人員数:716名(税務担当者約320名、税務アシスタント約360名、センター約30名)
- WEBサイト:https://vs-group.jp/tax/
- 顧問先数:約1万件(法人9,000件、個人1,000件)
- 顧問先の売上高:1億円以下が中心(法人顧客)
- 使用会計ソフト:弥生会計
- 顧問先が使用している会計ソフト:主に弥生会計
- 記帳代行支援サービスを使い始めた時期:2020年5月(サービス開始前のベータ期間から利用)
- サービスの方針:
- 創業期の企業に対して、税務会計だけではなく弁護士、社労士、行政書士業務なども含めてグループでワンストップで提供
- 「即レス、即アポ、即対応」を基本にサービスを提供
- 事務所経営における方針:
- 創業支援に特化
- 税務会計をベースに何でも相談できるビジネスパートナー
※事務所概要は記事公開時点での情報です。また、2021年7月8日に行われたインタビューを元に執筆しています。
導入前の課題 –記帳代行支援サービス
―ベンチャーサポート税理士法人様では、従来は記帳代行業務をどのように提供していましたか?
弊社では拠点ごとに「センター」という部署を設けています。
センターで行う業務は様々ですが、業務内容の共通点として下記のような特徴があります。
- ルーティン業務であること
- 専門的な技術・知識が求められないこと
- 物量がある程度確保できること
税務担当者や税務アシスタントが行う業務について精査していくと意外と上記に該当する業務がたくさん存在し、具体的には下記のような業務をセンターで行っています。
- 領収書の入力(経費集計)
- 決算後の納品作業(弊社の場合、証憑関係を預かっているので整理して返却する)
- 各種ファイルの作成
- PC設定(各種ソフトウェアのインストール等)
- スキャン業務(弥生のスマート取引取込やペーパーレス化含む)
- 消費税延長届出書の作成
- 年末調整業務のうち個人情報や控除証明書の入力
- 医療費控除の集計
当初は、センターの記帳担当スタッフが紙の証憑をExcelに手入力し、そのExcelを弥生会計へ取込み、修正、登録するという流れで業務を行っていました。
その後、膨大な量の記帳を効率的に処理していくために、センターに他社の記帳サービスを導入し、そちらを利用して記帳を行っておりました。
―弥生の記帳代行支援サービスを導入する前はどのような課題がありましたか?
領収書の入力は専門的な知識を要しない作業であるため、一定のルールが定めてあればどの担当者が行っても均一の品質になると思っていたのですが、過去処理を確認して処理する者、業種を考慮して処理する者、納品時に細やかなフィードバックを行う者などいろいろなスタッフがおり、スタッフによって品質のムラが出てきてしまい、想定したよりも標準化が難しい業務であることを痛感しました。
また、当初導入していた他社が提供している記帳サービスは、専用のWEBサイトにログインして利用するものであったため、都度、WEBで画面を開いて仕訳を編集し、その後で弥生会計に取り込む必要があり、弥生会計の他にもう一つソフトを導入するのと同じぐらいの手間がかかっていました。
そのため、従業員数が700名を超える大所帯である当事務所での利用は難しく、積極的に利用しようという感じにはなりませんでした。
- 当初はスタッフが手入力で記帳を行っていたが、品質にムラが出てしまっていた。
- 他社の記帳サービスを利用したが、記帳後に弥生会計に取り込む手間がかかるため、積極的な利用には至らなかった。
選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
―今回、弥生の記帳代行支援サービスの導入を決めたポイントはありますか?
導入を決めた理由は、使い慣れた弥生会計上で作業を完結できたためです。
他社の記帳サービスでは、弥生会計に加えて記帳用のツールを使う必要がありましたが、弥生の記帳代行サービスであれば、ボタンを押すだけで弥生会計に仕訳を取り込むことができ、また、弥生会計の証憑ビューアーからエビデンス(原始証憑)を確認できるなど、非常に便利だと感じました。
- 弥生会計との連携が良く、弥生会計だけで作業がすべて完結できる点が魅力であったため。
導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービスを導入するとき気になる点はありましたか?
弊社は従業員数が多いため、全スタッフが使用するサービスなら変更にかなりの苦労を伴ったかもしれませんが、記帳代行はセンターのみで行っている作業でしたので、センターにだけ導入すれば良く、変更に際して大きなストレスはありませんでした。
―記帳代行支援サービスを導入して、お客様との資料のやり取りなど、業務の流れに何か変化はありましたか?
以前は、センターが領収書の入力から仕訳の修正、登録まですべて行っていました
導入後は、センターは紙証憑をスキャンしてアップロードするだけになりました。その後、各拠点のアシスタントに、アップロードの完了と取込可能日を記載してメールを送り、アシスタントが仕訳の修正、登録、取込みを行う流れとなりました。
導入した当初は、一部のアシスタントから「センターの担当者の記帳の方が品質が良いので元のオペレーションに戻してほしい」という要望もありましたが、担当者によって品質にムラが出てしまうことや、弥生の記帳代行支援サービスであれば、学習機能で自動的に仕訳の精度が上がっていく点を説明し、納得してもらいました。
また、全国で統一のオペレーションにするために、オンラインでの研修の実施や、マニュアルも作成し、業務の変化が少なかったため、スムーズに導入することができました。
- センターの業務をスキャンとアップロードだけにし、仕訳の修正と登録は、各拠点のアシスタントが行うことにした。
- センターの担当者が仕訳を行うのではなく、学習機能のある自動仕訳を活用することにした。
導入後の成果 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービス導入後は何か変化はありましたか?
今まで手入力していた紙の通帳が取り込めるようになったことが大きいです。お客様によっては処理時間が4分の1に削減したところもあります。
通帳の入力は、売掛金の回収、買掛金と未払金の支払など、補助科目の設定が必要な取引が多く、センターがすべて仮払金で処理しておいて、あとからアシスタントが修正するという、二重のオペレーションで対応していました。
弥生の記帳代行支援サービス導入後は、学習機能付きで取り込みができるようになり、A社からの入金はA社の売掛金の回収と仕訳がされるので、効率化につながりました。
- 特に紙の通帳の処理時間を大きく削減することができた。
使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービスは使ってみて、どのような印象でしたか?
当法人では、ベータ期間から利用をスタートしたので、当時は仕訳されたデータを今のように弥生会計のボタン一つで取り込むことが出来ず、不便さもあるところから使い始めました。
それが、どんどん開発が進み、課題も解決されていき、現在では大変使いやすくなっています。
前述の弥生会計だけ起ち上げれば良い点もそうですし、証憑ビューアー機能においても、詳細が不明な取引の証憑の確認だけでなく、会計監査など色々な場面で活躍するポテンシャルを秘めた機能だと思います。弊社のスタッフたちも便利だと気に入っている者が多いです。
―成果物の品質についてはいかがでしたか?
弥生の記帳代行支援サービスを使う前には、他社の記帳サービスを使っており、そちらの学習機能が働いていたのですが、弥生への切り替えに伴い、他社のサービスで学習されたものが一度リセットされる形となりました。
そのため、弥生を使っての初回の取込み時には、修正が必要でしたが、弥生の学習機能もすぐに働いて、徐々に修正が減り仕訳も高精度になっていったため、すぐに問題ない品質に至るだろうと将来を見据えて取り組むことができました。
- 初回の取込み時は仕訳の修正が必要だったが、学習機能によって徐々に修正が減り、現在は満足の行く精度になっている。
記帳代行支援サービスへの要望
―記帳代行支援サービスの内容についてご要望はありますか?
今までもいろいろと要望をお伝えしてきていますが、優先順位をつけながらしっかりと対応していただけた印象があります。
現在は、学習機能の「部分一致と完全一致」に関する部分が改善されればより良いと感じています。
例えばあるコンビニチェーンのA店の領収書を学習させた場合、次が同じ系列のコンビニチェーンのB店であれば、再度、学習機能で覚えさせる必要があり、不便に感じています。
部分一致、完全一致の使い分けで設定することもできますが、メニューの詳細に入らないと設定を編集できないので、そこがやや不便だと感じています。この点がクリアになれば、さらに作業時間が削減できて良くなると思います。
- 部分一致と完全一致の設定をより行いやすいように改善して欲しい。
記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
―記帳代行支援サービスを導入し、業務を効率化できたとのことですが、今後の展望はありますか?
これまで記帳代行支援サービスを軸として業務を構築してきましたので、これからは弥生のスマート取引取込も活用し、通帳とクレジットカードの自動連携も顧問先に普及していきたいと思っています。
有り難いことにお客様が毎年たくさん増えていますので、新規のお客様にはスマート取引取込を使った自動連携の便利さを広めていき、将来的には弥生の記帳代行支援サービスとスマート取引取込とで、紙とデジタルの両方をカバーできるようになればと考えています。
―導入を検討している会計事務所の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。
会計業界でも技術革新が進んでいますが、取り込んだ仕訳を監査し、修正、追加仕訳を入れる作業は、まだまだメインの業務から外れることはないと思っています。
そして、データの取込みではクラウドを使用し、その後の編集はオフラインのツールで処理することが、現時点で最適な処理スキームだと思います。
この要件に当てはまり、かつ、作業環境の変化が小さく会計事務所が導入する際の負荷も少ないという点で、弥生の記帳代行支援サービスはおすすめです。
また、スキャンやデータのアップロードなど、電子化の作業はとっつきにくいと感じる方もおられると思いますが、所長さんや税務担当者の方がそういった作業を担うのではなく、弊社の「センター」のように専任の担当者を設けると導入しやすくなると思います。
弥生の記帳代行支援サービスには、学習機能や証憑ビューアーなど非常に便利な機能が内包されていますので、ぜひこういった機能を役立てていただければと思います。
―本日は、貴重なお話やご意見をありがとうございました。
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転載元:9,000件の記帳代行を使い慣れた弥生会計で高品質&効率的に行う体制を構築-ベンチャーサポート税理士法人 様【PR】(公認会計士ナビ)