本年の税理士試験(令和3年度・第71回)の開催もいよいよ来月(8月17日~19日)となりました。
先日、本年(令和3年度・第71回)の税理士試験の受験申込者数が国税庁より発表されました。ここ数年の申込者数減少が続いていましたが、本年は前年比で延べ765名(101.4%)の増加となり、ついに増加へと転じました。
本記事では、本年の税理士試験の受験申込者数に関する考察をお届けします。
ついに増加へ!税理士試験、受験申込者数の傾向は?
令和3年度・第71回 税理士試験の受験申込者数
まず本年の税理士試験の受験申込者数の内訳は以下のとおりです。
受験者申込者、延べ人数での受験申込者数ともに昨年と比較して増加となっています。
受験申込者数は、以下の通り、前年と比べて639名の増加、前年比101.8%となっています。
受験申込者数*
- 本年(令和3年度):35,774名(前年比101.8%、639名の増加)
- 昨年(令和2年度):35,135名(前年比95.7%、1,566名の減少)
- 一昨年(令和元年度):36,701名
*受験申込者数:本記事での数字は税理士試験の「申込者数」です。実際の「受験者数」は12月に国税庁から発表されます。
延べ人数での受験申込者数は、以下の通り765名の増加、前年比101.4%となっています。
受験申込者数(延べ人数)**
- 本年(令和3年度):55,066名(前年比101.4%、765名の増加)
- 昨年(令和2年度):54,301名(前年比97.2%、1,579名の減少)
- 一昨年(令和元年度):55,880名
**受験申込者数(延べ人数):すべての科目の申込者数を合計した人数。複数科目受験する方がおられるため延べ人数となります。
直近10年間の受験申込者数(延べ人数)推移
また、以下が税理士試験の直近10年間の受験申込者数(延べ人数)の推移です。
長らく右肩下がりであった申込者数がついに増加となりました。徐々に緩やかになっていた減少率ですが、今年の申込者数は前年比101.4%(765名増)となり、増加に転じる結果となっています。
科目別の受験申込者数は!?9科目で前年割れだが簿・財が躍進
また、科目別の受験申込者数は以下の通りです。
科目別の受験申込者数
科目別の受験申込者数は、11科目中9科目において受験申込者数が前年を下回っていますが、簿記論と財務諸表論の受験者数がそれぞれ増加する結果となっています。
個別の科目に関しては、税法科目が軒並み前年比減となり、所得税法、事業税の2科目の減少幅が大きくなってはいるものの、初学者が受験する傾向にある簿記論と財務諸表論が増加しているということで、税理士を目指す人材が増えつつあることを期待させます。
コロナ禍でも就職に強い!今年の税理士受験生の就職活動は!?
会計事務所業界においては、税理士試験終了後は就職・転職シーズンとなります。
昨年より続くコロナ禍によって、飲食や観光、小売業の一部など不調な業界はあるものの、幸いなことに会計事務所に対してはコロナ禍の影響はあまり見られず、業界全体で人手不足の状況が継続しています。そのため、転職市場においても就職希望者や転職希望者が有利な「売り手市場」となっており、今年も税理士受験生にとっては、活動しやすい状況となることが予想されます。
一方で、リモートワークの浸透からオンライン面接を行う会計事務所も多くなっていることから、ZOOMなどのITツールを利用した就職活動に対応できるように準備しておくことも重要となるでしょう。
なお、当サイトでは各主要都市の会計事務所の就職説明会の情報もまとめてありますので、下記もご参考頂ければと思います。
- 2021年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【関東・東京・横浜編】
- 2021年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【関西・大阪・京都編】
- 2021年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【名古屋、福岡など関東・関西以外の地域編】
税理士試験まで残すところ約1ヶ月となりましたが、みなさまのご健闘をお祈りしております!
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