本年の税理士試験(令和2年度・第70回)の開催もいよいよ来月(8月18日~20日)となりました。
先日、本年(令和2年度・第70回)の税理士試験の受験申込者数が国税庁より発表されました。ここ数年の申込者数減少の流れを受け、本年も前年比で延べ1,579名(2.8%)の減少となりましたが、その減少幅はやや緩やかになっています。
本記事では、本年の税理士試験の受験申込者数に関する考察をお届けします。
そろそろ底を打った?税理士試験、受験申込者数の傾向は?
令和2年度・第70回 税理士試験の受験申込者数
まず本年の税理士試験の受験申込者数の内訳は以下のとおりです。
受験者申込者、延べ人数での受験申込者数ともに昨年と比較して減少となっています。
受験申込者数は、以下の通り、前年と比べて1,566名の減少、前年比95.7%となっています。
受験申込者数*
- 本年(令和2年度):35,135名(前年比95.7%、1,566名の減少)
- 昨年(令和元年度):36,701名
*受験申込者数:本記事での数字は税理士試験の「申込者数」です。実際の「受験者数」は12月に国税庁から発表されます。
延べ人数での受験申込者数は、以下の通り1,579名の減少、前年比97.2%となっています。
受験申込者数(延べ人数)**
- 本年(令和2年度):54,301名(前年比97.2%、1,579名の減少)
- 昨年(令和元年度):55,880名
**受験申込者数(延べ人数):すべての科目の申込者数を合計した人数。複数科目受験する方がおられるため延べ人数となります。
直近9年間の受験申込者数(延べ人数)推移
また、以下が税理士試験の直近9年間の受験申込者数(延べ人数)の推移です。
ご覧の通り過去9年に渡って大きく減少を続けてきています。一方、減少率に関しては、一昨年の7.9%(5,040名減)から昨年の4.3%(2,520名減)、今年の2.8%(1,579名)へと、この数年ではわずかながら緩やかになっています。
科目別の受験申込者数は!?11科目中7科目で前年割れ
また、科目別の受験申込者数は以下の通りです。
科目別の受験申込者数
昨年の受験申込者数は、11科目中9科目において受験申込者数が前年を下回っていましたが、本年の前年割れ科目は7科目となっています。
個別の科目に関しては、昨年も前年を上回った財務諸表論、固定資産税に加え、今年は国税徴収法と住民税において軽微ではありますが、前年を上回る結果となりました。
一方で、前年比で最も受験申込者数が少なかったのが消費税法です。前年比91.8%となっており、昨年の消費税増税など消費税法改正の影響を懸念して受験が敬遠されているのかもしれません。
新型コロナで税理士受験生の就職活動はどうなる?
会計事務所業界においては、税理士試験終了後は就職・転職シーズンとなります。
昨年までは業界では人材不足の状況が続いており、受験生にとっては就職活動を行いやすい環境でしたが、今年は新型コロナに伴う景気悪化の影響を考慮せざるを得ない状況です。
税理士業務は、継続の顧問報酬があるため景気悪化の影響は受けにくく、また、持続化給付金や融資申請のサポートなど不景気化でも税理士の活躍機会は一部では増える側面はあるものの、コンサル案件の減少を見越して前年よりも採用ハードルを厳しくする大手会計事務所も見受けられるなど、今後の動向に要注目です。
なお、当サイトでは各主要都市の会計事務所の就職説明会の情報もまとめてありますので、下記もご参考頂ければと思います。
- 2020年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【関東・東京・横浜編】
- 2020年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【関西・大阪・京都編】
- 2020年・夏 会計事務所の就職説明会の日程まとめてみた【名古屋、福岡など関東・関西以外の地域編】
税理士試験まで残すところ約1ヶ月となりましたが、みなさまのご健闘をお祈りしております!
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