税務署職員が公文書偽造で在宅起訴、新型コロナ路線価にも影響、2019年分はスマホ確定申告が急増など3件まとめ:今月の税理士業界ニュース(2020年6月その2)

6月19日、24日、26日に、税務署職員、路線価、確定申告関連のニュースがリリースされています。

「税務署職員が公文書偽造で在宅起訴」、「新型コロナ路線価にも影響」、「2019年分はスマホ確定申告が急増」に関する記事をご紹介します。

税務署職員が公文書偽造で在宅起訴

前回、会計事務所元職員が詐欺容疑で逮捕された事件をお伝えしたばかりですが、今度は税務署職員の不正が発覚しました。

今回、統括国税調査官による固定資産税の不正情報入手に関する記事が、東京新聞よりリリースされています。

名古屋地検特捜部は19日、友人の親族の個人情報を知る目的で課税台帳の閲覧を求める書類を偽造したとして、虚偽有印公文書作成・同行使と公務員職権乱用の罪で、岐阜県の大垣税務署の●●●●*元職員(52)=同県大垣市=を在宅起訴した。

*●●●●の部分は元記事では実名公開されていますが、本記事では伏せさせて頂きます。

引用元:大垣税務署の元職員を在宅起訴 公文書偽造の罪、懲戒免職(東京新聞 2020年6月19日付)

記事によると、友人の個人情報を知りたいという私的理由で閲覧請求書類を偽造したということで、同日付で懲戒免職処分になっています。

国税局の責任ある立場にありながら、あまりに軽率な行動と言わざるを得ません。記事には詳細が報じられていますので、こちらをご覧ください。

新型コロナ路線価にも影響

路線価は1月1日時点の価格が毎年7月1日に公表されており、実際の土地取引価格よりも低く評価されます。通常であれば大きな価格変動もなく、7月1日に公表された路線価を1年間通して使用しますが、今年は年度途中で見直しが行われる可能性が出てきました。

今回、国税庁による路線価の減額修正検討に関する記事が、日本経済新聞より出ています

新型コロナウイルスによる経済活動低迷などの影響で大幅に地価(時価)が下落した場合、相続税や贈与税の算定に使う「路線価」を減額修正できる措置を国税庁が検討していることが23日、関係者の話で分かった。

引用元:路線価の減額修正検討 国税庁、コロナで地価下落なら(日本経済新聞 2020年6月24日付)

記事によると、国税庁は、都道府県が毎年9月ごろに公表している基準地価が、新型コロナウィルスの影響で広範囲で大幅に下落した場合、その地域の路線価を減額修正できる措置の導入を検討しているということです。

9月の基準地価公表に合わせて路線価が変更されないか、成り行きに注意する必要がありそうです。記事には詳細が報じられていますので、こちらをご覧ください。

2019年分はスマホ確定申告が急増

新型コロナウィルス感染拡大で、2019年の所得税等確定申告は申告期限が延長されたり、税務署での新型コロナウィルス感染者の発生が報告されて窓口業務などが中断されたりと、大きな影響が出ました。

今回、2019年分の確定申告に関する記事が、日本経済新聞より出ています

国税庁は26日、2019年分の個人の確定申告の状況を公表した。(中略)。新型コロナウイルスの感染拡大なども影響し、自宅などでスマートフォンを利用した申告件数が47万3千人と同3.8倍に増えた。

引用元:確定申告、スマホ利用3.8倍 新型コロナ影響で(日本経済新聞 2020年6月26日付)

記事によると、2019年分は、e-Taxの利用者数が195万人と2018年分から約57%増えており、このうち47万人がスマホを利用したと伝えれています。

2018年分では給与を1か所からもらっているサラリーマンしかスマホ電子申告ができませんでしたが、2019年分の確定申告から給与所得を2か所からもらっているケースなど対象となる所得が拡大し、スマホ電子申告ができる対象者が広がっています。これと合わせて、コロナ感染拡大による外出自粛が、スマホ電子申告の利用を後押しした形になりました。記事には詳細が報じられていますので、こちらをご覧ください。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧

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【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

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