会計事務所が顧問先と付き合う中で、顧問先企業に急な資金ニーズが生じるも「どうせ銀行ではすぐ貸してもらえないから」と融資を諦めたり、経営者が自分で都合したりする姿を見た税理士も少なくはないだろう。
しかしAIの発達により、急ぎの融資や少額融資を断念せざるを得なかったことが、過去の話になりつつある。
AI(人工知能)が融資可能性を判断し、事業者への融資を行う「オンライン融資」サービスが拡大し始めているからだ。
オンライン融資では、銀行などの金融機関が行う従来の融資とは異なり、申込みから融資までオンライン手続で完結するため利便性が非常に高い。また、与信も決算書ベースではなく、会計や取引等のデータをAI(人工知能)が分析するなどして判断する。海外では累計50億ドル以上の融資実績を有するOnDeckを始めとしたスタートアップも台頭するなど、金融の未来を変える可能性のあるサービスだ。
- 申込みから融資までオンラインで完結。
- 与信は会計データや取引データなどを分析することにより審査。
- 海外では既にメジャーとなっているサービスも登場。
弥生が親会社のオリックスとともに共同で設立し、2017年12月よりサービスを提供している「アルトア株式会社」は、日本におけるオンライン融資サービスの提供企業のひとつだ。アルトアはオンライン融資サービスの先進企業であり、小規模な法人や個人事業主にフォーカスし、50~300万円という少額での融資サービスを提供。弥生の会計データがあれば最短即日で融資が実行される。
オンラインで申込みから融資まで完結する事業者向け融資サービスです。弥生の会計データをアルトアにアップロードし、希望の金額・期間等を選択いただくだけで、自動でデータ解析を行い、融資条件を提示します。
- 弥生の会計データをアップロードするだけでAIが自動でデータ解析を行い、融資条件を決定。
- 最短即日でのスピーディーな融資実行。
- 保証人や担保は不要。
- 金利は2.8%~14.8%(実質年率)
- 融資金額は50万円から300万円まで。
上記の詳細は本記事末の「サービス内容」をご確認下さい。
※記事掲載時の情報です。
今回、オンライン融資を活用する会計事務所としてご紹介するのは、顧問先の融資支援に定評のあるさきがけ税理士法人だ。
同社は東京・多摩地区に拠点を置き、近辺の中小企業や個人事業主を主な顧客としている。税務顧問だけでなく、融資の申請のサポートなど財務面でのコンサルティングも行う点を特徴とし、近年では従来の金融機関からの融資に加えて、アルトア オンライン融資サービスを使った融資支援にも取り組み始めている。
同社の取組について経営支援部の澁谷剣太氏、山崎雄介氏のふたりに話を伺った。
-さきがけ税理士法人様では、現在、顧問先の融資支援をどのように行っているのでしょうか?
澁谷:顧問先に資金の悩みがある場合に必要に応じて融資をご提案しています。
記帳を行っている中でお客様に融資が必要になりそうだと気付いてこちらから提案させて頂く場合もありますし、顧問先から融資のご相談をいただく場合もあります。
融資は主に日本政策金融公庫に相談することが多く、実際に融資を受ける場合は、顧問先様に対して現在の収支状況をご説明し、大きな支払いが控えていないか、損益予測はどうかなど、財務に関する情報や融資の申請に必要な情報をヒアリングさせていただき、資金繰りのアドバイスを行わせて頂いております。
お客様からのヒアリングと銀行との面談は顧問先を担当しているスタッフが行いますが、融資資料の作成は専門のスタッフが担当しています。当社内には融資支援の専任スタッフが8名在籍しており、資金繰り表や事業計画書といった融資を受ける際に必要な資料を作成して手続を進めています。
-融資支援を専門に担当するスタッフの方が8名もおられるのですね。貴社は融資支援に積極的に取り組んでおられるようですが、金融機関と借入の交渉をするには専門的な知識も必要です。人材の育成はどのように行っているのでしょうか?
澁谷:当社の代表の黒川自身も創業時にお金に苦労した経験があり、また、「お金に悩まない社長はいない」というのが持論でもありますので、「融資によってお客様の悩みを解決できる」という信念の元、全社的に顧問先の融資の支援に力を入れています。
融資のアドバイスを行える人材の育成にも力を入れていて、担当者には銀行融資プランナー協会の研修講座の受講が義務付けられています。1講座が3時間、全10講座で、計30時間になりますが、融資担当になるスタッフはこれを5回繰り返して受講するので、合計150時間の研修を受けることになります。
また、経験の浅いメンバーに関しては、最初は先輩の資料作成を手伝うなど、OJTによるスキルアップも図っています。
-融資の支援をされるのはどういった規模の会社が多いのでしょうか?
山崎:中小規模の企業や個人事業主の方々がメインです。多くはありませんが、規模が大きいお客様からのご依頼もあります。希望する金額が大きい場合だと1行だけでは融資が難しく、日本政策金融公庫と信用金庫のふたつで協調融資を行ってもらうといったケースもあります。
-融資の支援はどのような料金体系で行っているのでしょうか?
澁谷:税務顧問の契約を締結しているお客様なら融資実行額の2%、顧問先ではないお客様の場合は3%を成功報酬で頂いています。それぞれ、最低価格は10万円からとなります。
また、それ以外に資金繰り表や事業計画書を作成する場合には別途料金をいただく契約になっています。
報酬を頂く分、当社の支援によって金利や返済期間などの条件がお客様にとって良い条件になることを意識しています。
一方で、融資を受ける金額が小さい場合は、お客様にとって当社への報酬が負担となってしまう場合もあります。その場合、銀行との金利の交渉を我々が行わないのであれば報酬はいただかないので、お客様にご説明して、どこまで当社が支援するかをご判断頂くこともあります。
-どれぐらいの融資額なら貴社への報酬に見合うのでしょう?
澁谷:一般的な目安としては300万円以上の金額で、返済期間が2年以上の場合なら、当社への報酬に見合いやすいと思います。
仮に100万円の融資を受ける場合、当社への報酬は最低額の10万円をいただきます。差し引きすると90万円です。これを12ヶ月で返済する場合、当社への報酬は割高だと思います。返済期間が36ヶ月であれば、我々が交渉し金利を下げるなど有利な返済条件を引き出すことによって、報酬である10万円以上のメリットは出せるとは思います。
-顧問先にそういった少額の資金ニーズがある場合には、御社としても悩ましいのでしょうか?
山崎:そうですね。先に澁谷が述べた通り、当社への報酬がお客様の負担になってしまう場合もありますし、かといって当社としてもかなりの手間と専門性が必要な作業なので、無料で引き受けるわけにもいきません。
澁谷:そういった点で、アルトアは我々が支援しにくい、少額融資をカバーしているので顧問先にもお勧めしやすいサービスだと感じています。
-オンライン融資について初めて聞かれた際、どのような印象を持たれましたか?
山崎:新しい仕組みに驚きつつも、法人の財務情報や代表者の個人情報を提供するので、セキュリティ面が大丈夫なのかは気になりました。
その点、アルトアに関しては、弥生と親会社のオリックスによる運営ということで安心感がありました。当社では弥生会計を利用しているので、システムやセキュリティの精度など、使い勝手も良く分かっていますし、融資面ではオリックスがついている点でも安心でき、お客様に提案しやすい印象です。
-初めてアルトアを使ったときはいかがでしたか?
澁谷:当社では、私が最初にアルトアを利用したのですが、金利はどれくらいになるのかがまず気になりました。パンフレットに、オンラインで借入れ可能な金額や金利の試算ができると書いてありましたので、とりあえず試算してみようという感じで利用しました。結果的に、試算した条件でお客様も納得され、無事に融資に至りました。
また、金融機関に融資を依頼する場合と比べて、手続にかかる時間が全く異なり、非常に短いことにも驚きました。
山崎:アルトアに関しては、1日で融資手続ができるとのことでしたが、本当に可能なのか気になっていました。実際やってみて時間がかからなかったので、この点は大きなメリットだと感じています。
オンライン画面で法人名と住所などの入力で15分、会計データのアップロードに5分、アプリを使って本人確認資料を提出するのに15分程度。申し込みをして早ければ当日、遅くても翌日には融資条件など回答が届きますので、その後の借入の申し込みを含めても、トータルで1時間もかからないのではないでしょうか。
また、すべてオンラインで完結するため金融機関に出向くことなく好きな時に手続ができますし、収入印紙代がかからないのも意外とお得なのかなと思います。
-具体的に、このような顧問先にアルトアを勧めたいというお考えはありますか?
澁谷:大きな取引があるので手持ちの資金が早めに欲しいなど、急いでお金を用意しておきたい顧問先にとっては、例えば金利が8%でも資金ショートのリスクと比較すると安いと思います。また弥生会計で記帳代行を請け負っている顧問先だと、私どもで資金が足りなくなることが分かるので、こちらから提案しています。
また、設立1、2年目のお客様だと、100~200万円くらいだけど資金が必要と言う方は多いです。そういった方には、当社への報酬も不要ですので、アルトアを利用しましょうとお勧めしています。
現在では、当社への報酬がかかるが銀行融資での資金調達が良いのか、それとも銀行に比べて金利は少し高いけれど当社への報酬がかからずスピーディーに調達できるオンライン融資が良いのか、お客様の資金ニーズに合わせて提案するのが良いと考えています。
アルトアは、お客様と我々の両方にメリットがあると感じています。
-金融機関とアルトアのどちらに相談するか迷った時の判断基準はありますか?
澁谷:少額融資の場合は、銀行の場合は相談に行っても難しいと言われる案件が多いです。長期の運転資金や設備資金と違って、当座の資金はなかなか融資してもらえません。その点アルトアなら少額融資に対応していますし、短期の運転資金なら半年ぐらいで返済もできるので適していると思います。
また銀行は決算書を見るので過去の数字になりますが、アルトアは直近12ヶ月の会計データで判断してくれます。設立間もない企業や、直近で業績が伸びているケースの場合、銀行がだめでもアルトアなら借りられることもあります。
-今後何かアルトアに期待することや改善してもらいたいことはありますか?
澁谷:融資額上限のアップと、借入期間がもう少し自由に選択できるようになると良いです。1年では返済が難しいと考えるお客様もいらっしゃるので、期間が伸び得ると利用できるお客様も増えると思います。
その他の手続きなどは、お客様に会計データを送ってアルトアさんのサイトで手順通りに行って頂ければすぐできるので、使いやすく満足しています。
会計事務所業界はIT化が進み、これまで人が行っていた融資業務も機械が行う時代になってきています。これはお客様にとっては、早く安く融資を受けられるようになってきているということで、アルトアさんにはこれからさらにお客様のニーズに応えていただけることを期待しています。
アルトア オンライン融資サービスとは?
アルトア オンライン融資サービスについて詳しくお知りになりたい方は、公式サイトをご覧ください。
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アルトアでは、顧問先の資金調達にアルトアをご紹介されたい会計事務所様からのご相談にも対応をさせて頂いております。ご興味のある会計事務所様は是非お気軽に下記よりお問合せください。
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※番号をよくお確かめのうえおかけください。
アルトア オンライン融資サービス
- 対象者:法人、個人事業主
- 融資金額:50万円~300万円(10万円単位)
- 金利:2.8%~14.8%(実質年率)
- 返済方法:元金均等返済方式、または期日一括返済方式
- 返済期間(回数):最長12か月(12回)
- 担保・保証人:不要
- 融資手数料:なし
- 遅延損害金:19.9%(実質年率)
- 対応会計ソフト:『弥生会計』または『やよいの青色申告』※いずれもデスクトップアプリのみ。ご利用には1期(12か月)分以上の仕訳データが必要です。
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