【速報】合格者が増加!税理士試験合格者は5,388名!令和元年度 税理士試験合格発表を分析!

令和元年度・第69回 税理士試験 合格発表_2019

本日、令和元年度(2019年度/第69回)税理士試験の結果が発表されました。

合格された皆様、おめでとうございます。

また、惜しくも合格とはならなかった皆様、来年は良い結果をつかめますよう祈念しております。

さて、今年の税理士試験の結果に関する考察をお届けします。

今年の税理士試験合格発表のポイントは以下です。

令和元年度・第69回 税理士試験合格発表のポイント

  • 合格者の総数が前年比672名の増加!(実人数)
  • 合格者数とともに合格率もアップ!
  • 30歳以下の官報合格者数は175名

受験者・合格者数と合格率

合格者は5,388名、昨年から672名の増加!

本年の税理士試験の受験者・合格者数と合格率は以下のようになっています。

令和元年度・第69回 税理士試験合格発表の概要

  • 受験者数:29,779名(延べ41,158名)
  • 合格者数合計(実人数):5,388名(官報合格者数:749名、一部科目合格者数:4,639名)
  • 合格率:18.1%

本年の合格者(一部科目合格者含む)は5,388名であり、昨年の4,716名から672名の増加となっています。また、合格率も昨年の15.3%から18.1%へと上回る結果となりました。

税理士試験は、一昨年(平成29年度/2017年度)の税理士試験で財務諸表論が合格率29.6%という異常値となった例外の年を除けば、ここ数年、受験者数、合格者数ともに減少傾向にありましたので、ひさしぶりの明るい話題と言えるでしょう。

ただし、以下のグラフの通り、受験者数は平成22年度をピークに、合格者数は平成24年度をピークに右肩下がりですので、中期的には合格者数の減少が止まったとは言い難い現状が見て取れます。

【令和元年度(第69回)税理士試験の受験者数・合格者数と推移】
税理士試験_令和元年度_2019年_受験者数・合格者数推移
※クリックするとグラフが拡大します。

合格率に関しては、多少の変動はありつつも、中期的には15~20%の間で推移しています。

【令和元年度(第69回)税理士試験の合格率と推移】
税理士試験_令和元年度_2019年_合格率推移
※クリックするとグラフが拡大します。

官報合格者の数は、中期では減少傾向にあるものの、昨年の672名から今年は749名へと増加しています。

【令和元年度(第69回)税理士試験の官報合格者数と推移】
税理士試験_令和元年度_2019年_官報合格者推移
※クリックするとグラフが拡大します。

男女別の合格者数

女性の合格者比率は27.9%

合格者の性別は以下のとおりです。合格者に女性が占める割合は27.9%となっており、昨年の26.6%より上昇、合格者全体の約4分の1が女性となっています。

税理士試験の合格者総数が大きく増えていないことから、女性の合格者数も大きくは増えてはいませんが、女性比率はこの4~5年では27%前後を維持しています。

令和元年度・第69回 税理士試験合格者の男女比

  • 合格者合計:5,388名(男性:3,887名、女性:1,501名)…女性比率27.9%
  • 官報合格者:749名(男性:543名、女性:206名)..女性比率27.5%
  • 一部科目合格者:4,639名(男性:3,344名、女性:1,295名)..女性比率27.9%

【令和元年度(第69回)税理士試験合格者に占める女性人数・比率と推移】
税理士試験_令和元年度_2019年_合格者に占める女性数・比率の推移
※クリックするとグラフが拡大します。

昨今の税理士業界では、人材不足の影響もあり、人材のさらなる活用や業務効率化が進み始めており、女性が働きやすい環境を整える会計事務所も見られつつあります。

特に東京などの都市圏の会計事務所では、結婚・出産後も女性が復帰しやすい制度を整えたり、主婦向けにリモートワークや時短勤務制度を導入したりする会計事務所も一部では見られはじめています。

会計事務所業界の仕事は手に職がつき、時短・リモート勤務なども実現しやすい職種でもあります、また、税理士になれば性別問わず独立もしやすい業界ですので、今後こういった流れが拡大していくかどうかで、女性の受験者数にも影響が出てくるのではないでしょうか。

年齢別の合格者数

30歳以下の官報合格者は175名!

年齢別の合格者数は以下のとおりです。例年通り若い年齢ほど合格率が高くなっています。

一方で、30歳以下の官報合格者は175と例年通り若手の官報合格者は少ない状況ですが、昨年の150名から増加した点は明るい話題と言えるでしょう。

また、この175名という数字は、47都道府県で平均すると1都道府県当たり約3.7名という人数になり、若手税理士の希少価値の高さがわかる数字ともなっています。

【令和元年度(第69回)税理士試験の年齢別合格者数・合格率】
税理士試験_令和元年度_2019年_年齢別
※クリックすると表が拡大します。

一方で、30歳以下の官報合格者数は以下のグラフの通り、年々減少傾向にありますので、高齢化の進む税理士業界において、若手税理士の供給が少ないことは大きな課題と言えるでしょう。

【30歳以下の官報合格者数の推移】
税理士試験_令和元年度_2019年_30歳以下官報合格者推移
※クリックするとグラフが拡大します。

科目別の受験者数・合格者数・合格率

合格率最高は住民税の19.0%、最低は相続税法の11.7%

科目別の受験者数・合格者数・合格率は以下のとおりです。

例年の傾向通り、簿記論と財務諸表論の合格者数や合格率が高い傾向にあり、最も合格率が高かったのは住民税の19.0%でした。逆に、合格者数が最も少なかったのは事業税の58名、合格率が最低だったのは相続税法の11.7%でした。

全体の合格率も15.5%と昨年の12.8%よりも2.7%アップしています。

【令和元年度(第69回)税理士試験の科目別受験者・合格者数・合格率】
税理士試験_令和元年度_2019年_科目別
※合格者数・受験者数は複数科目受験者・合格者を含む延べ人数。
※クリックすると表が拡大します。

以上、本年の税理士試験合格発表の考察をお届けしました。

本年の税理士試験の合格者数は、前年比で672名の増加という結果になり、全国的に人材不足に悩まされている会計事務所業界にとってはひさびさの明るい話題と言えるでしょう。

一方で、本記事内でも触れましたが、中長期的には受験者数が増えておらず、税理士資格の人気低下に対する抜本的な解決には至っていないと言えます。

現状では受験者数や合格者数が減少した影響で、税理士受験生の価値が高まり会計事務所への就職は容易となっていますが、税理士や会計事務所業界の中長期的な発展のためには、税理士資格や会計事務所業界をより魅力的なものへとしていく必要があるでしょう。

※参考:本記事は令和元年度(第69回)税理士試験結果(国税庁)をもとに作成致しました。

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