最も合格しやすい税理士試験5科目はこれだ!10年分の税理士試験データから分析した合格率を公開!

最も合格しやすい税理士試験5科目はこれだ!10年分の税理士試験データから分析した合格率を公開!

税理士を目指されている方にとって、どの税理士科目を受験するかは大きな問題です。なぜなら、税理士試験は5科目も合格しなければならず、選ぶ科目によって合格にかかる時間が大きく左右されてしまうからです。

そんな税理士試験の受験科目の選び方には、「興味のある科目を受ける」「専門としたい科目を受ける」「受かりやすそうな科目を受ける」など、いくつかの方法があると思いますが、本記事では、平成21年から平成30年までの10年間の税理士試験データを分析し、最も受かりやすい税理士試験5科目を算出してみました。

受験科目選びの参考にして頂ければ幸いです。

税理士試験科目の合格率ランキングはこれだ!

過去10年間の税理士試験における合格率は以下の公式で計算しました。

  • 合格率=平成21年~30年の合格者の総数/平成21年~30年の受験者の総数
    ※小数点以下第3位を四捨五入

そのランキングは下記です。

税理士試験科目の合格率ランキング(平成21~30年の平均)

税理士試験_10年間の平均合格率ランキング_2019※クリックすると拡大します

いかがでしょう?

全体で見ると、財務諸表論が突出して合格しやすく、酒税法、法人税法、消費税法、国税徴収法などは合格率が低くなっています。

消費税法や法人税法は難しいイメージもありますので、妥当な結果かもしれませんが、それほど難関なイメージのない酒税法が最も合格率が低いというのは面白い結果かもしれません。

また、10年間の合格者総数(86,986名)を総受験者数(608,454名)で割ると全体の平均は14.30%となり、1位の財務諸表論と2位の簿記論の間に位置することになります。

合格率から見た「最も受かりやすい5科目」はこれだ!

では、各科目の合格率だけで選ぶと最も受かりやすい5科目はどれになるでしょうか?

合格率から最も受かりやすい税理士試験科目を選択すると、以下の5科目になります。

最も受かりやすい税理士試験科目(5科目)

合格率:高い(簡単/合格しやすい)

1位:財務諸表論…17.92% ←必須科目
2位:簿記論…14.05% ←必須科目
3位:住民税…13.90%
4位:所得税法…13.39% ←所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択
5位:固定資産税…13.13%
6位:事業税…12.89%
7位:相続税法…12.76%
8位:国税徴収法…12.41%
9位:消費税法…12.31%
10位:法人税法…12.14%
11位:酒税法…12.05%

合格率:低い(難しい/合格しにくい)

つまり、最も合格可能性が高くなる5科目は

財務諸表論、簿記論、住民税、所得税法、固定資産税

の組み合わせとなります。

税理士試験は各科目によって、合格に必要な学習時間、理論と計算の比率、暗記しなければならない理論のボリュームなどが大きく異なり、得意・不得意な科目があると思いますので、必ずしも今回挙げたように合格率の高い科目を選べば良いわけではありません。

また、そもそもは「どんな税理士になりたいのか?」ということを意識して、専門としたい分野の科目を勉強するのが本来の姿でもあるでしょう。

とは言え、合格までに時間がかかるのが税理士試験。少しでも早く合格するためにどの科目を選択するかはみなさんが頭を悩ませる部分でもあり、この選択によって合格できる時期や可能性が大きく変わってしまうのも事実です。

科目選択に悩んだ場合は今回のような数字面からアプローチして、早期合格を目指すのもひとつの方法かもしれません。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧

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【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

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