本日より、弥生株式会社より弥生 19 シリーズが発売となりました。
本記事では、去る2018年10月11日に東京・秋葉原のヤヨイヒロバにて開催された、弥生 19 シリーズの新製品発表会のレポートをお届けします。
※記事内のスライドはすべて弥生 19 シリーズ製品発表会資料からの引用です。
弥生の現状-ユーザー数、業績はともに安定的に成長
弥生シリーズが31年目を迎える弥生株式会社。30年目の昨期*を終え、代表取締役社長の岡本浩一郎氏がまずは弥生シリーズの現状を振り返りました。
*弥生株式会社は9月決算。
「登録ユーザー数」「弥生PAP会員数」「売上高」の状況はそれぞれ以下の通り、順調に推移し、弥生シリーズの好調さを示す数字となっています。
登録ユーザー数は170万以上に
弥生シリーズの登録ユーザーは170万を突破し、さらに順調に拡大中。デスクトップ、クラウドの両方で圧倒的シェアNo.1を実現しています。
弥生PAP会員数は9,000事業者を突破
弥生シリーズの販売パートナーでもある弥生PAP(やよいぱっぷ)の会員は9,000事業者を突破。パートナーの「数」だけではなく、パートナーとの「リレーション」も意識し、数と質の両面から強化しているとのこと。
売上高も過去最高を記録
登録ユーザー数、弥生PAP会員数の増加とともに、売上高も過去最高を記録しています。FY14(2014年9月期)の消費税増税の特需をはさみつつも、売上高はここ数年コンスタントに増加しています。
弥生 19 シリーズのアップデートポイントは?
続いて、弥生 19 シリーズについての発表が行われました。
弥生 19 シリーズは、「弥生会計19」「やよいの青色申告19」「弥生給与19」「やよいの給与計算19」「弥生販売19」「やよいの見積・納品・請求書19」「やよいの顧客管理19」の7製品が対象となっています。
その中で、今回は、弥生会計のアップデートに関して、
- 法令改正対応
- 業務効率改善
の2側面からの発表が行われました。
要注目ポイントは“法令改正”(消費税率改正・軽減税率や新元号)への対応
例年の製品発表会では、ユーザーの利便性や業務の効率化につながる機能改善に関する発表がメインとなりますが、2019年(平成30年度)以降は、会計ソフト・会計事務所業界にも影響の大きい法令改正が相次ぐこともあり、今回は法令改正に関するアップデートにも多くの時間が割かれました。
2019年10月の消費税率10%への引き上げ、ならびに軽減税率については、最優先で対応を準備中であり、法令で明らかになっている範囲においては既に弥生 17 シリーズから対応済みとのこと。また、特設サイト「よくわかる!軽減税率対策のポイント」を用意し、ユーザーへの情報提供も行っています。
新元号に関しては、2019年4月に発表、5月1日から利用開始となるため、弥生 19 シリーズのユーザーに対しても、5月1日以降、オンラインアップデートでの新元号への対応を予定しています。
あんしん保守サポートの初年度無償を制度化
また、法令改正に伴い、ユーザーからの問い合わせも増加が予想されますが、「あんしん保守サポート」により対応していく方針とのことです。
あんしん保守サポートに関しては、2014年には前年からのキャンペーン、消費税率8%への改正で加入者が増加した経緯がありますが、今回の法令改正、また、好評だった初年度無償キャンペーンを制度化したことから、今後も増加が予想されるとのことです。
また、あんしん保守サポートの加入者増加にあわせて、2014年以降、定期的に移転・増床してきているカスタマーセンターも、今回の需要を見込んで大幅増床をしていましたが既にスペースは埋まりつつあるとのことです。
昨期時点で684席であったカスタマーセンターの総席数が、本発表会の開催日時点で740席まで増席されているなど、同サービスへの強いニーズが感じられる状況となっています。
業務効率化面でのアップデートポイント
スマート取引取り込みを引き続き強化
例年以上に重い法令改正対応に開発リソースを割かれる部分があるものの、業務効率の改善にも引き続き注力していく弥生 19 シリーズ。UI・UX改善、自動仕訳など従来からのポイントも引き続き強化しつつ、会計事務所と事業者間の自動仕訳の結果共有は新たなポイントとして力を入れるとのことです。
金融機関との連携方式を順次APIに切り替え
また、金融機関との連携方式を、現在中心となっているスクレイピング方式からAPIでの連携に順次切り替えていく点も注目ポイントとして挙げられました。
APIでの連携にあたってネックであった金融機関とITベンダー間の契約に関しては、弥生株式会社もひな形作りに積極的に貢献し、その成果物は銀行法に基づくapi利用契約の条文例(2018年7月暫定版)として全銀協から公開されています。
以上、弥生新製品発表会のレポートをお届けしました。