本日、平成28年度(2016年度/第66回)税理士試験の結果が発表されました。(写真は国税庁)
合格された皆様、おめでとうございます。
また、惜しくも合格とはならなかった皆様、来年は良い結果をつかめますよう祈念しております。
さて、今年の税理士試験の結果に関する概要は以下のとおりです。
受験者・合格者数と合格率 -合格者は5,638名。昨年から1,000名以上の減少!
本年の税理士試験の受験者・合格者数と合格率は以下のようになっています。
- 受験者数:35,589名(延べ49,245名)
- 合格者合計:5,638名(官報合格者数:756名、一部科目合格者数:4,882名)
- 合格率:15.8%
本年の合格者(一部科目合格者含む)は5,638名であり、昨年の6,902名から1,264名の大幅減となっています。また、合格率は昨年の18.1%から15.8%へと2.3%下回る結果となりました。
科目合格も含む合格者の総数は、平成24年から10,068名⇒8,348名⇒6,909名⇒6,902名と推移し、昨年はやや下げ止まっていたものの、今年の合格者数は5,638名と再びの減少となっています。
※クリックするとグラフが拡大します。
官報合格者の数は756名と昨年の835名から79名ほど減少しており、2年連続の減少、また、平成21年度以降の中期トレンドで見ても減少傾向にあります。
これには今年の合格率が低下したなど試験の難易度による影響や、税理士資格の魅力低下にともなう受験者数の減少などが影響していると考えられます。
特に税理士資格の魅力低下は今後の受験者数にも影響を与えかねない要素ですが、一方で、合格者数が減少することによって、人材の希少価値は高まり、税理士受験生の会計事務所への就職は行いやすくなるといった影響も出ているなど、受験生にはポジティブな状況となっています。
※クリックするとグラフが拡大します。
男女別の合格者数 -女性の合格者比率は26.9%
合格者の性別は以下のとおりです。合格者に女性が占める割合は26.9%となっており、全体の約4分の1が女性となっています。
税理士試験における女性合格者数は全体の合格者数に連動して少なくはなってきていますが、女性比率はこの4~5年では26~27%程度を維持しています。
- 合格者合計:5,638名(男性:4,121名、女性:1,517名)…女性比率26.9%
- 官報合格者:756名(男性:564名、女性:192名)..女性比率25.3%
- 一部科目合格者:4,882名(男性:3,557名、女性:1,325名)..女性比率27.1%
※クリックするとグラフが拡大します。
年齢別の合格者数 -30歳以下の官報合格者はわずか176名!
年齢別の合格者数は以下のとおりです。例年通り若い年齢ほど合格率が高くなっています。
一方で、30歳以下の官報合格者はわずか176名と若手税理士の少なさが読み取れます。
※クリックするとグラフが拡大します。
科目別の受験者数・合格者数・合格率 -合格率が最高は財務諸表論、最低は住民税の11.7%
科目別の受験者数・合格者数・合格率は以下のとおりです。合格者が最多だったのは簿記論1,753名、合格率が最も高かったのは財務諸表論の15.3%となっています。
逆に、合格者が最も少なかったのは住民税の64名、合格率が最低だったのも同じく住民税の11.7%でした。
※合格者数・受験者数は複数科目受験者・合格者を含む延べ人数。
※クリックするとグラフが拡大します。