業種特化型の会計事務所とは?

会計事務所には様々な形態があり、それぞれで特徴が異なります。

本ページでは業種特化型の会計事務所の特徴について解説します。

その他の分類はこちら→生き残る税理士や会計事務所はこれだ!会計事務所の種類・分類・戦略を徹底解説!

業種特化型の会計事務所とは?

概要

業種特化型の会計事務所とは、特定の業種を専門とした会計事務所です。
代表的なものとしては、医療特化型の会計事務所が挙げられます。その他には、飲食業、IT業、建設業、農業特化といったものも見受けられ、ユニークなところでは、パン屋やタクシードライバー、同人漫画家特化の会計事務所なども見受けられます。

サービスの特徴

業種特化型会計事務所のサービスは、基本的には、一般的な会計事務所が行っているものと大きな違いはありません。

ただし、その業種に関するノウハウが豊富なことから、

・その業種における特有の課題やニーズを的確に把握し、そこに応えるサービスを重点的に提供できる。

・業種特有の論点やノウハウ(会計・税務処理や各種規制)を押さえたサービスを提供することができる。

・その業種、業界の動向の情報に精通している。

といった点が優位性となり、競合の会計事務所との差別化につながっています。

例えば、飲食の場合、日々の税務会計処理だけでなく、新規出店のための借入を行うために事業計画の作成や銀行交渉、現金商売であるため資金繰りが重要になる場合があります。また、アルバイトなど従業員の入れ替わりもあるため、給与計算や労務管理のサポートも必要になります。飲食業に特化している会計事務所の場合は、こういった店舗系業種の支援に関するノウハウが豊富であったりします。

また、一般的な会計事務所では、特定の業種に関する税制の改正や、助成金などの情報を網羅しきれない場合がありますが、業種特化をしている事務所は、それらを押さえた対応が可能となります。

その他、特化している業界全体の動向や成功・失敗事例に関して詳しいなど、税務会計以外での業界知識の豊富さが、顧客からの信頼に繋がっていることも特徴です。

上記以外にも、顧客の業種が限られているため、それに合わせて事務所内の業務フローも効率化・最適化され、各種サービスをスムーズかつ効率的に提供できるといった特徴も優位性のひとつとなっています。

なお、特化型の会計事務所が見られる業界ですが、具体的な統計データがあるわけではないので断言はできませんが、最も多く見られるのが、医療特化型と考えられます。

また、それ以外の業種では、特化型の会計事務所は多くはありませんが、東京、大阪などの会計事務所の競争が厳しく、かつ、顧客数の多い地域ほど特化型の会計事務所が多く見られる傾向にあります。

クライアント・顧客の特徴

業種特化型会計事務所の顧客は、その名の通り特定の業種に特化しているため、その業種に限られます。
ただし、ひとつの業界・業種でも、その中には多数の属性の顧客がいるため、実はその中では顧客層が多岐に渡っていることもあります。

例えば、医療特化型の場合であれば、病院・クリニック・医療法人・薬局・医療関連企業・個人ドクター(個人所得税、相続税)など、多岐に渡ります。
IT業界特化型の場合も、WEBサイトの制作会社、システム開発会社、WEBサービスの運営会社、Web広告会社など様々です。

また、顧客の業界で働く人たちの属性にも、顧客の特徴が表れます。
例えば、医療系であれば、ドクターなどの高学歴・資産家の顧客が多く、IT業界であれば若い経営者が多いなどの傾向があります。

業種特化型会計事務所に転職するには?

業種特化型の会計事務所が求める人材(採用・求人の動向)

業種特化型会計事務所が求める人材は、一般的な会計事務所と基本的には同じであり、実務経験と資格の2つの点から評価されます。

業種特化型の場合は、その業界に関する知識が求められるように思われますが、必須であるところはあまりなく、経験があれば尚可といったスタンスのところが一般的です。なぜなら、業界知識や経験まで求めてしまうと、採用できる候補者が少なくなってしまうためです。

ただし、年齢が高い求職者の場合は、業界知識や経験が必要とされることもあります。なぜなら、社内の人員構成のバランスから、年配の人材に業界知識をいちから教えるのは大変だったりするためです。

また、当たり前のことですが、その会計事務所が特化している業界への興味・関心をしっかりと持っている人材が好まれます。

業種特化型の会計事務所に転職するためのポイント

業種特化型の会計事務所に転職・就職するためには、一般的な会計事務所と同じく、実務経験と資格をバランス良く積んでいくことがポイントです。

実務経験に関しては、前述の通り、その業界・業種に関する経験がなくても大丈夫ですが、少しでもアピールになるよう経験がある場合はしっかりと職務経歴書に記載しておくことが望ましいです。また例えば、その業界で必要とされるスキルを職務経歴書でアピールしておくことも非常に重要です。

業種特化の会計事務所に応募する際の対策としては、なぜその業種に興味を持ったのかなぜその業種特化の会計事務所で働きたいのかという部分をしっかり説明できるようにしておきましょう。
また、業界関連の書籍を読むなどして対策を行っておくことは重要です。税務、会計関連の書籍はもちろん、業界マップやその業界の有名経営者が書いた書籍、その業界に関する戦略やマーケティングなどのビジネス書など幅広く読んでおくのが良いでしょう。

また、業種特化の会計事務所への転職・就職で難しい点は、その業種に特化した会計事務所があまり多くない点です。
医療特化の会計事務所であればやや見つけやすいですが、例えば、飲食やIT業界特化の会計事務所は(特に東京以外の地域では)見つけるのがかなり難しく、地域によってはそういった会計事務所がまったくないケースもあります。
そのため、地域によっては、まずはその業種に特化している会計事務所を見つけるところからスタートし、さらにその中で求人を募集しているところ、かつ、自分が応募基準を満たしそうな会計事務所…と絞り込んでいかなければなりません。
希望の業種に特化した会計事務所が見つからない地域であれば、一般的な会計事務所に転職し、そこで希望の業種を多めに担当させてもらったり、もしくは経験を積んで自分でそういった会計事務所を作ってみるのも選択肢のひとつでしょう。

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