本年(平成27年度・第65回)の税理士試験がいよいよ来週(8月18日~20日)となりました。
以前の記事では税理士試験の受験者数がここ数年で大きく減少してきていることをお伝えしましたが、本年もこれまでの流れを受け、前年比で約4,833名(6.1%)の減少となりました。
参考:税理士を目指す人が9,000名も減っている!?税理士試験の受験者数や合格者数を分析してみた:税理士試験分析(1)
税理士試験、今年の傾向は?
平成27年度・第65回 税理士試験の受験者数
本年の税理士試験の受験者数内訳は以下のとおりです。
科目 | 受験者数 | 前年比 |
簿記論 | 21,226名 | 91.7% |
財務諸表論 | 16,967名 | 92.9% |
所得税法 | 2,860名 | 96.9% |
法人税法 | 7,978名 | 94.5% |
相続税法 | 5,208名 | 98.3% |
消費税法 | 12,513名 | 96.4% |
酒税法 | 1,259名 | 104.6% |
国税徴収法 | 2,649名 | 99.5% |
住民税 | 986名 | 90.5% |
事業税 | 992名 | 84.3% |
固定資産税 | 1,574名 | 85.8% |
合計 | 74,212名 | 93.9% |
今年の受験傾向は?
本年の傾向を見ても、昨年のコラムでも触れたとおり簿記論や財務諸表論など初学者向けの科目の減少が引き続き顕著ですので、新しく税理士を目指す人の数は減っているのではないかと推測されます。
また、今年は住民税と事業税の受験者が大きく減少しており、ともに1,000名を切る形となりました。
一方で、酒税法の受験者数は昨年よりも増加、国税徴収法の受験者数もほぼ横ばいとなっており、税法科目に関しては比較的難易度が低い科目に受験者が流れる傾向があるのかもしれません。
税理士受験生の就職活動は?
また、税理士試験後には各会計事務所が採用活動を行い、業界の就職・転職シーズンとなります。
今年の傾向としては、
- 景気回復にともなって会計事務所側の採用意欲は高い
- 一方で、受験生が減少中のため、限られた受験生を会計事務所が取り合う形になる
というのが挙げられます。
景気が良くなっていることもあり、就職市場は「売り手市場」であり、求職者(受験生)側が有利になっています。そのため、「受験生が減っている」というのは税理士の人気が落ちているというネガティブな印象もありますが、受験生の方々にとっては就職活動を有利に進めやすい状況となっているという見方もできます。
ちなみに、当サイトでは各主要都市の会計事務所の就職説明会の情報もまとめてありますので、ご参考ください。
- 2015年・夏の会計事務所の就職説明会の日程をまとめてみた【関東・東京・横浜編】
- 2015年・夏の会計事務所の就職説明会の日程をまとめてみた【関西・大阪・京都編】
- 2015年・夏の会計事務所の就職説明会の日程をまとめてみた【名古屋、福岡、札幌、仙台、岐阜など関東・関西以外の地域編】
さて、いよいよ来週が税理士試験です。今年は試験日程が遅い分、最後の追い込みができた方々もおられるのではないでしょうか!?
受験生のみなさまのご健闘をお祈りしております!