BIG4税理士法人とはどのようなところなのでしょうか?このページでは、BIG4税理士法人の仕事内容や年収、残業、採用基準などに関して解説しています。
このページを読めば、その働き方から採用基準、年収までどこよりも詳しくBIG4税理士法人のことがわかります!
目次
本記事は以下の5つで構成されています。(見たい目次をクリックするとジャンプします)
- BIG4税理士法人の概要(サービス・部門)
- BIG4税理士法人の仕事内容(部門・クライアント)
- BIG4税理士法人の勤務環境(年収・残業・休暇休日・繁忙期)
- BIG4税理士法人のキャリア(転職・退職理由・退職後のキャリア)
- BIG4税理士法人の採用(採用基準・選考内容・応募方法)
BIG4税理士法人の概要
BIG4税理士法人とは?
BIG4税理士法人とは、
の4つの税理士法人のことを指します。
これらの税理士法人はそれぞれ、グローバル展開する世界的会計事務所、PwC(プライスウォーターハウスクーパース)、Deloitte(デロイト)、KPMG(ケーピーエムジー)、EY(Ernst & Young/アーンストアンドヤング)のメンバーファームとして日本での税務サービスを提供しています。
サービス内容
BIG4税理士法人は主に法人向け税務サービスを提供しています。そのサービスは「大企業向け税務」「特殊税務(M&Aや事業承継、金融)」「国際税務」といった通常の会計事務所ではあまり提供していない点に特徴があります。
サービスの名称や内容は各法人によって異なりますが、大きく分けると下記のようなサービスを提供しています。
税務コンプライアンス
- 税務申告書の作成
- 税務相談
- 税務代理 など
BIG4税理士法人では、税務顧問サービスを「税務コンプライアンスサービス」と呼びます。
「税務コンプライアンス」というと聞きなれない言葉ですが、一般の会計事務所での「税務顧問サービス」とほぼ同義で、税務申告書の作成や税務相談などを行います。
税務コンプライアンス部門は、その中でも「日系企業」「外資系企業」「金融機関」の3つのチームに別れることが多く、法人によってはそこからさらに業種ごとに分けたより専門的なチームを作ってサービスを提供している場合もあります。
税務コンサルティング(トランザクションタックス)
- M&A・組織再編税務
- 事業承継税務
- 企業再生税務 など
BIG4税理士法人では、中堅~大企業向けに組織再編や事業承継関する税務コンサルティングサービスを提供しています。(「税務コンサルティングサービス」は法人によっては「トランザクションタックスサービス」と呼ばれることがあります。)
この税務コンサルティングサービスは、法人にもよりますが、一般的には税務コンプライアンス部門とは別の独立した部門として、コンサルティングを専門にサービスを提供します。特にM&Aや組織再編、企業再生に関しては、新聞やニュースに載るような有名企業・大企業の案件も担当するケースも多くあります。
国際税務
- 国際税務(アウトバウンド、インバウンド)
- 関税・間接税(消費税 / VAT / GST / 売上税 等)
- タックスヘイブン税制(租税回避)
- 移転価格 など
BIG4税理士法人では、その国際ネットワークを活かして国際税務サービスを提供しています。
企業が日本から海外に出る場合の税務を「アウトバウンド税務」、海外から日本に入る場合の税務を「インバウンド税務」と呼び、タックスヘイブン税務や関税・間接税、移転価格などのサービスも提供しています。
これらのサービスの中でも移転価格はその特殊性・専門性の高さなどから、ひとつの部門と独立してサービスが提供されているのが一般的です。
一方で、その他の国際税務サービスに関しては独立した部門があるわけではなく、「税務コンプライアンス」や「税務コンサルティング(トランザクションタックス)」といった部門の中で付加的に、または、その中で扱う論点のひとつとしてサービスが提供されている傾向にあります。
個人所得税
- 海外出向者向け税務
- 日本に滞在する外国人向け税務 など
BIG4税理士法人では、一般的な会計事務所と違い、個人所得税(確定申告)サービスの取り扱いはほとんどありません。しかし、その中でも「非居住者」を中心とした個人所得税サービスは提供されています。
具体的には、「海外出向者(クライアント起業の海外に赴任している従業員)」や、主に外資系企業の役員など「海外から日本に赴任して働いている外国人」向けの個人所得税をメインとした税務サービスになります。
前者の「海外出向者向け税務サービス」は、企業と契約し、従業員の赴任国や日本での税務申告や社会保障関連のサポートを行い、各法人に専門の部署があります。
後者の「海外から日本に赴任して働いている外国人」向けのサービスは、外資系企業の税務を担当する部門やグループのアウトソーシング会社などが担当することが一般的です。
BIG4税理士法人の仕事内容
仕事の特徴
BIG4税理士法人の仕事内容は一般的な会計事務所と大きく異なる部分が多々あります。例えば下記のような点が特徴的です。
記帳代行や決算業務がほぼなく、税務申告書の作成とレビューが中心
BIG4税理士法人の仕事では、記帳代行や決算業務を行うことはほぼありません。(関連のアウトソーシング会社では行っているところもあります。)
税務申告書の作成やレビュー(※「チェック」のこと。BIG4税理士法人ではこう呼びます。)が主な仕事となります。
中規模以上の企業が大半となるBIG4税理士法人のクライアントでは、決算業務や税務申告書の作成を社内の経理部や税務部で行える企業がほとんどであることも理由のひとつです。
高度な税務が経験できる
BIG4税理士法人では、記帳代行や決算業務を行わない分、税務業務は高度になります。例えば、外形標準課税、外国税額控除、試験研究費控除、過少資本税制といった、一般の中小会計事務所では取り扱うことがほとんどない論点や別表の作成も経験することができます。
また、税務コンサルティング部門においては、組織再編やM&A、場合によってクロスボーダー(国際的な)案件も経験することができます。
条文・原文をしっかりと調べる仕事を行う
中小企業をクライアントとする会計事務所では、難しい論点や特殊な論点があまりないことから、税法の条文や原文を調べて検討することはあまり多くないかもしれません。
けれども、BIG4税理士法人では高度な論点や特殊な論点も多く、また、クライアントのレベルも高くしっかりとした解釈を求められることから、条文に紐付けた解釈を行う仕事を行うのが一般的です。
経験できる業務の範囲は限られることが多い
BIG4税理士法人は、部門が細かく分かれていることから、経験できる業務の幅は限られてしまう傾向にあります。
税務コンプライアンスと税務コンサルティング部門が分かれているのはもちろん、例えば、税務コンプライアンス部門も「金融機関」や「外資系企業」を専門とする部門に分かれていることが一般的です。そのため、専門性を高められる一方で、限られた範囲の経験しか積めない傾向にあります。
チームでクライアントを担当する
一般の会計事務所では、ひとつのクライアントに対して担当者1名、それを所長がチェックするというところが多いですが、BIG4税理士法人では、税務コンプライアンスにおいても、税務コンサルティングにおいてもチームでクライアントを担当することが一般的です。
チームの構成は、クライアントの規模や案件の内容(難易度)などにもよりますが、スタッフ、シニアスタッフ、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーと各階層のメンバーが含まれます。
また、「スタッフが実務」「シニアスタッフがスタッフの仕事をレビュー」「マネージャー以上が業務をマネジメントする」というイメージになります。
マネージャー以上はマネジメントと営業が仕事の中心
年次が上がっても自らが実務に携わる中小規模の会計事務所とは異なり、BIG4税理士法人では、マネージャー以上の管理職になると、自分の担当する案件をやチーム(部下)をマネジメントすることや、新たなクライアントや案件を獲得することが仕事の中心となります。
そのため、税務申告書を作成するなどの「自分が手を動かす仕事」は少なくなり、レビューや調整業務などが多くなります。
クライアント(顧客)
BIG4税理士法人のクライアントは一般的な会計事務所のクライアントとは異なり、大手企業やその関連会社、グローバル企業、外資系企業、金融機関などが中心となります。
- 大手企業…未上場の大手企業、上場企業、海外展開する企業
- 大手企業のグループ会社…上場企業や大手未上場企業の子会社など
- 外資系企業…小規模なものから大規模なものまで
- 金融機関…銀行、証券会社、資産運用会社(アセットマネジメント会社)、投資ファンド 等
クライアントは規模の大きい企業が中心であり、資本金も1億円以上、売上高も数十億円以上のものが多い傾向にあります。
ただし、外資系企業に関しては、小規模なものもあります。これは、世界展開している外資系企業がグループ全体の税務をグローバルでまとめてBIG4税理士法人に依頼し、日本のBIG4税理士法人がその日本法人を担当するケースがあるためです。そのため、グループは大規模でも、日本法人は小さい場合などがあり、外資系企業には規模が大きくないクライアントも見受けられます。
BIG4税理士法人の勤務環境
年収
BIG4税理士法人の年収は「年俸」と「残業代」によって構成されます。(マネージャー以上の管理職は残業代は支給されません。)
年収の額は概ね下記のようなイメージです。
- スタッフ…450~650万円前後
- シニアスタッフ…650~850万円前後
- マネージャー…1000万円前後
- シニアマネージャー以上…1,200万円以上
- ディレクター/パートナー…1,500万円以上
上記の年収には幅が有りますが、各法人や所属部門の業績、残業量(残業代)によっても変動します。
また、景気の動向にも影響を受けますので、好景気であった2008年までは高く、2009年以降は一部の法人では給与体系の見直しもあるなど、低くなったケースもあります。
なお、パートナーの中でも上位のパートナーとなると数千万円の年収を得ているメンバーもいます。
残業・休暇休日・繁忙期
BIG4税理士法人の残業や繁忙期は一般的な会計事務所と大きく違います。また、税務コンプライアンス部門と税務コンサルティング(トランザクションタックス)部門でも残業や繁忙期が異なります。
税務コンプライアンス部門の残業・繁忙期
一般的な会計事務所の繁忙期は、
- 確定申告シーズン:2月中旬~3月中旬
- 3月決算シーズン:4月~5月
ですが、BIG4税理士法人の税務コンプライアンス部門の繁忙期は、
- 12月中旬~6月(場合によって7月)
となります。それ以外の7月~12月上旬までは閑散期となりますので、繁忙期と閑散期がだいたい半年サイクルで続いていきます。
なぜ、こうなるかと言うと、BIG4税理士法人は外資系企業等の12月決算企業が多く、その税務申告作業が2月末まで続き、その後、すぐに3月決算企業の申告準備が始まるからです。このため、ほぼ半年間連続で繁忙期が続く形になります。
また、繁忙期は、終電やタクシー帰り、場合によって、オフィスや近くのホテルに泊まるくらいの忙しさとなります。
そのため、BIG4税理士法人に勤務している人の多くは、この時期に非常に疲弊します。
一方で、繁忙期が終わった後の閑散期には、1~2週間のまとまった休みを取得することもできるため、この時期に長期で旅行に行くなどリフレッシュをする人も少なくありません。
税務コンサルティング部門の残業・繁忙期
税務コンサルティング(トランザクションタックス)部門の忙しさは、プロジェクトの状況によります。プロジェクトが多かったり、佳境の際は忙しくなり、逆に、プロジェクトが少なかったり、終了直後には忙しくなくなります。
そのため、1年を通じて決まった繁忙期があるわけではなく、繁忙期と閑散期が数週間~数ヶ月単位で不定期にやってきます。
ただ、年間を通じて比較的忙しい状況が続くことが一般的です。
昇格
BIG4税理士法人では、3~5年程度を目安に昇格します。昇格は、年数だけではなくパフォーマンスによっても異なりますので、人によって差がつきますし、中にはシニアスタッフやマネージャーなどの役職で滞留して、ずっと昇格できない人もいます。
一般的には、シニアスタッフ(非管理職)からマネージャー(管理職)に上がる際のハードルがやや高く、マネージャーになれるかどうかはひとつのポイントと言えます。
また、景気や組織の状況によって昇格可能性も変わり、最近のBIG4税理士法人は昔に比べて昇格しにくくなったとは言われています。
なお、ずっと昇格できないとやや居づらくなる部分はありますが、昇格できなくても辞めないといけないわけでもありませんので、特定の職位のまま長く勤務している人もいます。
女性は働きやすい?
BIG4税理士法人では女性スタッフも多く勤務しています。
前述のとおり、繁忙期の残業は過酷なため、女性が勤務しやすいと断言できない部分もありますが、産休や育休が完備され、実績を出せば男女問わず管理職になれるなど、女性が勤務しやすい側面もしっかりとあります。
BIG4税理士法人でのキャリア
BIG4税理士法人内でのキャリア
役職と昇格
BIG4税理士法人の職位は主に下記で構成されます。(法人によってやや異なりますので、下記より職位が少ない場合もあります。)
- スタッフ(アソシエイト)
- シニアスタッフ(シニアアソシエイト)
- マネージャー
- シニアマネージャー
- ディレクター
- パートナー
一般的には、ひとつの職位で3~5年程度の経験を積むと昇格していく傾向にありますが、昇格にはパフォーマンスなど様々な要素がありますので、誰もがスムーズに昇格していくわけではなく、個人差はあります。
異動
BIG4税理士法人では、一般企業のような定期的な部門の異動はほとんどありません。法人の都合や本人の希望などに応じて一部の人の異動が行われる程度です。
また、各部門の専門性が高いため、職位が上がるほど他部門には異動しにくくなるという実情もあります。例えば、金融機関向け税務や税務コンサルティングを行う部門には、若手のうちは異動しやすいですが、30代、40代となると職位も上がり各人の専門性も決まってしまうため、同法人内でも経験のない部門に異動するのは難しくなります。
一方で、法人内の組織の再編や部門の管轄、部門名の変更などがわりと頻繁に行われるため、大きな異動ではないものの、同じ部門にいたまま部門名や担当クライアントが変更になるようなケースは比較的あります。
出向
BIG4税理士法人では、多くはありませんが、クライアントに出向して業務を行うケースもあります。
出向先での仕事は、クライアントや案件によってケースバイケースですが、例えば、大手金融機関や総合商社などといった大企業に2~3年程度の間で派遣され、金融機関だと組織再編や事業承継、商社であれば国際税務などに従事するケースがあります。
BIG4税理士法人からの転職・退職理由
それぞれ数百人の授業員を抱えるBIG4税理士法人ですので、当然のことながら、退職者は毎年、一定数います。退職理由は人それぞれですが、主に下記のような理由が挙げられます。
- 忙しい
- 税務経験の幅を広げたい
- 事業会社での経験を積みたい
- 独立
1.忙しい
前述のようにBIG4税理士法人では、終電やタクシー帰りとなる繁忙期が約半年間続きます。この働き方がキツいと感じたり、「今は大丈夫だけど、歳をとると厳しいかも…」と将来に不安を感じて退職する人も一定数います。
2.税務経験の幅を広げたい
BIG4税理士法人では、専門性を維持するために部門が細分化されています。また、前述のとおり、記帳代行や決算などの業務はほぼなく、税務申告書の作成やアドバイスが中心です。そのため、決算、税務申告、税務・財務コンサルティング、組織再編、事業承継…など幅広い経験を積むことを目的として退職する人もいます。
3.事業会社での経験を積みたい
これはBIG4税理士法人に限りませんが、会計事務所に勤務する人の中には、社外からのアドバイスではなく、当事者として事業会社内で働きたいと考える人もいます。BIG4税理士法人でも同じく、こういった理由から転職を選択する人もいます。
4.独立
BIG4税理士法人でも一般の会計事務所と同じく、独立を理由に退職する人はいます。ただし、独立しやすい経験を積みやすい部門とそうでない部門があるため、所属部門や個々人の経験によります。
退職後のキャリア
BIG4税理士法人を退職した人のキャリアには主に3パターンあります。
- 準大手・中堅会計事務所への転職
- 事業会社への転職(日系・外資・金融)
- コンサルティングファーム・金融機関
- 独立
1.準大手・中堅会計事務所への転職
BIG4税理士法人から他の会計事務所に移るパターンですが、この場合、準大手や中堅会計事務所に転職するケースが多めです。
BIG4税理士法人から他の会計事務所に転職する場合、年収がダウンしてしまいますが、準大手や中堅会計事務所であれば年収の下落幅が小さいこと、また、クライアントや案件の規模は小さくなるものの、経験できる業務の幅が広がるため、バランスの良い転職先として選ばれています。
2.事業会社への転職(日系・外資・金融)
外部からのアドバイスよりも内部の当事者としての仕事がしたいと考え、事業会社に転職する人もいます。この場合、「大手日系企業」「大手外資系企業」「大手金融機関」「外資系金融機関」などが中心となります。
「大手」や「外資系」企業が中心になるのには「年収」と「経験」のふたつの理由があります。
まず、BIG4税理士法人は年収が高いため、それを維持するためには年収が高めの大手企業や外資系企業がマッチしやすいためです。
また、中堅規模程度までの企業では、「経理(会計・決算)」スキルが求められることが多く、「税務」の経験のみでは採用されにくい傾向があります。そのため、「税務部門」があり、税理士などの税務経験者の採用を好む大手企業が転職先の中心となる傾向があります。
3.コンサルティングファーム・金融機関
BIG4税理士法人での経験を活かして、M&Aアドバイザリーや企業再生関連のコンサルティングファームや金融機関のコンサルティング職に転職するケースもあります。
この場合、税務の知見を活かせますが、あくまでコンサルタントとしての業務になり、税務申告書を作る機会はなく、ファイナンスや経営、金融など税務以外の業務にも携わることになります。そのため、M&Aや企業再生に税務面から携わりたい場合は、それらを行う会計事務所に転職し、税務に限らず携わりたい場合は、コンサルティングファームや金融機関に転職することとなります。
4.独立
BIG4税理士法人から独立を選択する人もいます。ただし、BIG4税理士法人からそのまま独立するよりも、一度、他の会計事務所に転職して中小~中決企業向け税務を経験してから独立する人が多いかもしれません。
また、独立するためのスキルを身に付けるために「1.準大手・中堅会計事務所への転職」を選択する人もいます。
BIG4税理士法人の採用
求める人材の概要
BIG4税理士法人の求める人材の概要をまとめると下記のようになります。
年齢
30代前半くらいまでの人材が採用されやすい傾向にあります。
20代前半~半ばであれば実務経験がなくても法人税を含めた5科目(程度)に合格していれば採用される可能性はあります。
また、経験内容が良い場合*や高い英語力を有する場合は、3~4科目合格の人材や法人税に合格してない人材、もしくは30代半ば以降の年齢の人材も採用の可能性が出てきます。
*中堅以上の会計事務所などで、中規模~大規模企業の税務を経験している場合
資格・税理士科目
基本的には税理士科目3科目以上の取得者が対象となり、できれば5科目が望ましいです。また、法人税法の取得は原則としては必須です。
経験内容が良い場合や高い英語力を有する場合は、3~4科目合格の人材や法人税法に合格してない人材、もしくは30代半ば以降の年齢の人材も採用の可能性があります。
個人所得税に関する部門では、法人税法に合格していなくても問題はなく、所得税法に合格していることが重視されます。
移転価格の部門は、税理士試験科目合格者にこだわらず採用対象とする傾向にあります。特に帰国子女レベルの高い英語力を重視しており、海外MBAホルダー、海外CPAホルダー、金融機関出身者、公認会計士など幅広く採用対象とされます。
実務経験
20代前半の人材であれば1~2年、20代後半であれば3~5年程度の税務経験者が目安とされます。
20代前半で4~5科目に合格している人材の場合は、実務未経験でも採用される可能性はあります。
語学力(英語力)
基礎的な英語力があることが望ましく、TOEIC700点以上か同等の英語力が目安とされます。英会話は不要で、若手の場合はまずは会計系の英単語を理解できるレベルであることが目安になります。
その他
BIG4税理士法人の採用要件は、上記を基本としますが、部門によっても異なります。例えば、税務コンサルティング(トランザクションタックス)部門のほうが税務コンプライアンス部門より選考ハードルが高い傾向にある。(組織再編など高度な税務業務に従事し、また、ハードワークでもあるためです。)
また、東京以外のBIG4税理士法人(地方事務所)では、英語力の要件や実務経験の基準は上記より低い傾向にあります。
なお、今回紹介した項目に関しては、好景気で人材が採用できない際には各要件の基準は下がり、不景気で採用を絞っている際には高くなる傾向にあります。
選考内容
選考ステップ
BIG4税理士法人の選考は、書類選考と2~3回程度の面接によって行われます。
書類選考
BIG4税理士法人の書類選考では、履歴書と職務経歴書が必要となります。
移転価格など高い英語力を要求される部門では、英文の履歴書も必要となる場合があります。
面接
BIG4税理士法人の面接は、法人や部門にもよりますが、2~3回程度の面接によって行われます。夏の税理士試験後の説明会兼選考会の際には、同日に複数名と面接をし、1日で選考を終える場合もあります。面接官は、マネージャーやシニアマネージャー、パートナーとなるのが一般的です。
以上、BIG4税理士法人に関する解説でした。